2014年5月31日土曜日

転勤は最大の研修なり

 この4月、7年間勤めた前任校から転勤しました。3月まで受け持った5年生達と泣く泣くお別れし、新任地でパワフルな3年生39人の担任となりました。
 前任校ではなぜか3・5・6年生ばかりを担任させていただく中で、たくさんの教え子とかけがえのないつながりをもつことができました。手痛い失敗も数知れずしました。必ず次に生かすぞと心に決めつつ、教室に向かう日々です。

 
 3年生といえば、理科・社会・総合の新教科に加え、毛筆書写やリコーダーの学習、クラス替え……子どもたちにとっては初のチャレンジが満載の学年。新たな友だち・学習への出会いをコーディネートするのが、担任の役目です。責任重大、何度やってもわくわくします。

 ところが、です。
 私自身4度目になる3年生担任で、過去の経験を生かせるはずなのですが……私もまた、新たな職場への適応にあっぷあっぷなのでした。
 地域の様子が全くわかりません。これは子ども達の視野を地域へ、自分のまちへと広げる3年生担任にとって致命的です。
 それどころか、校舎や教具の使い勝手さえ、まるで違います。
 黒板にチョーク入れがないのはなぜ? 理科室の鍵はどこにあるの? 遮光プレートは人数分あるの? 給食の入れ物はどこにどう置けばいいの? そもそも、教室のゴミはどこに捨てるんだ?……
 
 自分でもあきれてしまうくらい、何もかもできなくなるのです。
 まるで初任者に戻ったかのような無力さ。正直に言って、かなり落ち込みます。
 
 これまでに培ってきたコンテンツなど、通用しないと思った方がいいでしょう。
 
 この環境では、何ができて何が難しいのか。
 この学校の子どもたちは、どんな力が付いていて、何を課題としているのか。
 子どもたちの様子を見とり、校区を歩き、教材庫をあさり、職員室のパソコンからデータを拾い、学年問わずいろいろな先生に質問しまくり、最後は自分の頭で考えて。
  新たに作り直すのです。日々の実践を。
 苦しいですが、それが教える立場にある私たちの務めなのだと思います。

 「転勤は最大の研修なり」。
 前任校を出るときに、はなむけとしていただいた言葉です。
 本当でした。精進します。

(斎藤 佳太)

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