2014年12月15日月曜日

奥尻の冬と教師の学び

奥尻の一日は、フェリーの運航状況をお知らせする防災無線で始まります。
「今日のフェリーは海上悪天候のため全便欠航となります。」
荒れる冬の日本海では、こうした状況が2~3日続くことも珍しくありません。
欠航が続くと、スーパーでは生鮮品の棚がスカスカになり郵便や新聞の配送も途絶えます。
道路に波があがって通行止めになることも多く、冬の島での暮らしは天候に大きく支配されます。

こうした不便さはありますが、奥尻での冬の暮らしは魅力にあふれています。
夜の海を煌々と照らすイカ漁の漁り火。
奥尻は漁場が近いのか、所によっては夜でもヘッドライトを付けずに車を運転できるほど島を明るく照らします。吹雪の日は風に舞う雪が漁り火に照らされ、オーロラのような幻想的な光景を見せてくれます。
観光シーズンから外れるため、あまり知られてはいませんが、ホッケ・イカ・タコ・寒ノリなど、冬ならではの食材にも美味しい物がたくさんあります。
厳しい冬にじっと堪えているように見える暮らしの中にも、島ならではの豊かさがあります。

先日、島の先生方による学習会が生まれました。
会の名称は、“Collaboration”(協同)、“Creative”(創造)、“Culture”(文化)の頭文字を取って、「Studio:C」です。
キックオフの学習会には7名の先生方が参加し、楽しい語らいの中にも真剣な学びのあるひとときとなりました。
厳しい環境の中でも、志があれば一級の学びができる―。島の先生方が集まり、互いの実践から学び合う場として大切に育てていきたいと思います。

(山寺 潤)

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