2015年2月23日月曜日

言葉以上のメッセージ性



 学校の中ではPTA担当でもある私は、先日、PTA広報誌祭りの表彰式に出席しました。本校のPTA広報誌は、保護者のみなさんが熱心に作成してくださり、今年も8年連続で特別賞を受賞したのです。
表彰式の前に、審査に関わっている北海道通信社の方が次のような講評を述べました。
「どの広報誌にも、書かれている言葉以上のメッセージ性があります。大切なのは、どのようなメッセージを読者に伝えるのか、伝わるのかを考えて作ることです」
実例を見せながらの説明には説得力があり、「なるほど。確かに」と思いながら話を聞いていました。そして、あ、そういえばと妙に納得してしまいました。

20代の頃、私はよく担任外の先生に、「子どもたち、落ち着いてないでしょ?放課後の教室見ればすぐ分かるよ」と言われたものです。「学級の様子を見に来たこともないのに、そんなことだけで評価するなんて」と当時は思っていたのですが、今、担任外という立場になってみると、それは本当だなとあらためて感じます。
放課後、学校を見回ると、いつもはきちんとそろっている机が乱れている日が続く教室、きれいに保たれているはずの床に、ゴミが落ち続けるようになった教室……。これは「いつもは気にできていたのに、今は気が回らなくなってしまっています」というような先生のメッセージが伝わってきます。そんなときは、そのクラスで問題がおきたり、けが人が出たり、することがありました。
また、やんちゃな子どもたちが多い学年は、ほぼまちがいなく汚れています。物や本が煩雑に置かれていたり、教卓が提出物であふれていたり、コート掛けには忘れ物の帽子や手袋が引っかけてあったり、ゴミ箱がゴミであふれていたり。これは子どもたちにも、「汚くなっていても、気にしないからね」という先生のメッセージが伝わっているのです。こうなると、いくら口で「ちゃんと掃除しよう!きれいにしよう!」と言葉で言っても、子どもたちはなかなか変わってくれません。掃除だけでなくて、日常の行動もピリッとしなくなります。
また、家庭学習の習慣がついていない子に、「今日はやってきた?」「明日は、計算3問だけでもやっておいでよ」などと、とにかく毎日、あきらめずに声をかけ続けます。すると、少しずつ自分からやり始めるようになったり、いろんなことに積極的になったりしたことがあります。これは、「今日はやってきたかい?」という言葉そのものの意味の他に、毎日声をかけ続けることで、「いつも見ているよ」「君のこと、心配しているよ」というメッセージを子どもに伝えていることになっているからだと思います。

このように、私たちも「言葉以上のメッセージ性」に、真剣に目を向けるべきだと思うのです。風貌や振る舞いにも、もちろん「言葉以上のメッセージ性」は現れているはずです。「どのようなメッセージを相手に伝えるのか、伝わるのかを考えて」行動したり、振る舞ったりすることを更に意識して、これからも子どもたちや保護者に接していきたいです。
(山口 淳一)

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