2015年8月16日日曜日

「今は,種を蒔いている」

  数年前もっていたクラスは,やんちゃくんが多いクラスだった。落ち着いて座っていることができない子,思いついたことを時や場に関係なくすぐ言葉に出す 子,少しでもできないと投げ出してしまう子,気に入らないことがあると暴言を発する子,勉強ができないから騒いでしまう子・・・。

 なんとかしようと様々な方法を試みるのだが,成果を感じることができず,無力感でいっぱいだった。

 そんなとき,ある研修会で講師の先生がこんなことを話していた。

「なかなか成果がでないこともある。そんなときは,花が咲くのは今じゃないだけ。

今は,種を蒔いているときだと考えればいい。自分が担任のときに花が咲くこともあるし,他の人が担任になったときに花が咲くこともある。」

(メモを基にしているので,この通りではなかったかもしれないが。)

心にスーッとはいってきた。

成果を出すことばかりについつい心が向き,焦っていたのかもしれない。周りからの目も気になっていたのだ。だから,この子たちをなんとかしよう,自分の力で変えてやるんだ,という気負いがあったのだと思う。

 そして,これだけやっているんだからという思いにとらわれ,子どもの側に立つことができなかった。謙虚な気持ちはどこかにいき,子どもと勝負し,勝とう勝とうという気もちばかりになっていたのだ。

  自分が担任のときに花を咲かせたら,それは自分の喜びや自信になるかもしれない。仕事に対するモチベーションも高まるだろう。でも,花を咲かせることにと らわれると,自分も,そして子どもも苦しくなる。成果を出さなくてもいいというわけではないが,成果が出なくても,長ーい目で子ども見ていくことも大事な のではないか。そして,成果が出ないとき,

「今は,種を蒔いているんだ」

と考える心のゆとりも,大切なのではないかと思う。



(三浦 将大)

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