2016年9月26日月曜日

未来の自分への投資

先日、中学生になった教え子がやって来ました。
彼女の相談に乗りながら、
というよりも雑談をしながら伝えたのは、
今しかできないことをすればいいこと。
学べる大人でありたいのか学べなくてもいいのか考えること。
今からだって十分に間に合うこと。
未来の自分への投資をすべきだよということ。
でした。

翌日、研究紀要の校正作業のために印刷をしながら、
たくさんの方が書いてくださった原稿に目を通しました。
私が書いた原稿はほんの一部です。
なんとなく、自分がいちばん仕事を負っているつもりでいましたが、そうではないのですよね。
たくさんの方々に支えていただいて、仕事を進められるのですよね。
そんな当たり前のことに、やっと思い至りました。
研究推進委員長という立場上、
先生方にお願いすることが多く、
正直なところ嫌な立場でもあります。
それでも、これまでに経験したことがないことも、
いろいろと経験してきた2年間でした。
小中一貫教育ということで、
自分の職場だけでなく他の部分にも思いを巡らせなければならないということも経験しました。
投げ出したいと思うことも多いです。
けれど......
そうか、「未来の自分への投資」だな、と。

やって来た教え子に伝えたつもりでいましたが、
彼女に伝えていたようで自分に伝えていたのかもしれません。
何年経っても、子どもたちに教わることばかりです。

子どもたちの人生に関わることの意味を考えつつ、
いつまでも「未来の自分への投資」ができる教員でありたいと思います。
(水戸ちひろ)

2016年9月25日日曜日

第82回 教師力ブラッシュアップセミナーin北見のお知らせ


テーマ:多様性に応える学級づくり

日時:11月5日(土)12時~17時 【ランチ付き♪】

場所:いなかふぇ たんの 木倉屋(端野町二区1262-1)
参加費:3000円(ランチと1ドリンク代込み)

12:00~13:00 受付・ランチタイム・アイスブレイク

13:00~13:50 多様性に応える学級づくり(大野睦仁)

13:50~14:20 自分たちの教室のインクルーシブは?
             *交流タイム<司会・辻村佳子>

14:20~14:30 休憩

14:30~15:10 あの子たちに応え「た」学級づくり(山口淳一・増澤友志)

15:10~15:40 自分たちの教室にいるあの子について
             *交流タイム<司会・大野>

15:40~15:50 休憩

15:50~16:30 あの子たちに応え「た」授業づくり(辻村・増澤)

16:30~17:00 明日からの教室づくり
             *交流タイム<司会・山口>

終了後、懇親会を行います。

お誘いあわせの上、ぜひご参加ください!


【お申し込みはこちらから】

2016年9月5日月曜日

聞いてみること

今年度は久しぶりに1年の担任になりました。1年生の担任をしていてちょっとした質問で解決したことを3つ書きます(みなさんご存知かもしれませんが)。
1つ目。黒板消し。
教室設営の時,前の担任が教室をきれいにして明け渡してくれましたが,黒板が少し白いと思いました。前に自分が使っていた教室もそうでした。確か「水拭き禁止」となっていましたが,黒板消しで何度消しても少し白いので水拭きをしたり,ウエットティッシュを使ったりしたことも…。そこで,事務官に相談しました。タイミングが良く,学校に出入りしている業者さん(ICTなど教育環境担当)がその場にいて黒板を見てもらいました。すると,「黒板消しが黒板に合ってない」と教えてくれました。事務官もその場にいたので,新しい黒板消しを購入することになりました。聞いてみるものです。
2つ目。水性塗料。
1年生は何にでも興味を示すせいか,帰りの会のころまでには全員の机が30cmは前に出てきています。床にテープで印をつけました。床が木なので傷つけないように養生テープにしましたが,剥がした後にかすかな跡が…。これも事務官に聞いたところ,粘着力が弱いものでもワックスを厚塗りした上でも糊の成分はダメとのこと。水性塗料なら大丈夫とのことで「ポ○カ」で印をつけました。ちなみに茶色を使っています。色が目立ちすぎず,ちょうど良いです。だいたい2週間くらいで書き直しが必要です。
3つ目。マーカーコーン。
ボール遊び。最初は「ころがしドッジボール」でした。内野と外野を指導することから円形を初めにします。グラウンドでしたら,ラインを引けますが,体育館ではラインを引けません。バスケットの円がありますが,小さすぎます。テープを張るのもいいのですが,円にするのは面倒です。そこで,体育の先生に聞くとマーカーコーンを貸してもらいました。マーカーコーンとはお皿の形をした陸上やサッカーの練習なんかでよく使われるコーンです。50枚で2000円するかしないかぐらいでしょうか。遠足の時の鬼ごっこの範囲を決めるのにも役立ちました。私物として持っているのもいいかと思います。
(大西陵公)


2016年9月3日土曜日

欲張りすぎないこと

 今年度は初めて、特別支援学級の担任になりました。担当している児童は、ダウン症のお子さん(A君)です。精神年齢は3歳程度で、笑顔がとてもかわいらしい子です。

 4月の始業式に、A君は登校して上靴を履くまでに30分かかりました。教室に行く階段を上るまでに30分、お手洗いで用を足すまでに30分・・・その間に彼の口から出tてくる言葉は「やだ!」の一言のみ。しかも学校内に響き渡るくらいの声量です。廊下の途中途中で座り込みをしながら、私のあらゆる提案に、「NO!」と意思表明をしてきます。靴箱が変わったこと、教室が変わったこと、担任が変わったことなどの変化が、A君を混乱させ、不安にさせたのだと思います。1年生の時の様子を少し知っていたつもりでしたが、私に見えていたのほんの一部分でした。A君が帰った後、私の頭の中で「やだ。」という言葉が響いていたのを覚えています。

 1カ月するとA君も私も、新しい環境に慣れていきました。そんな時同僚の先生とこんな話をする機会がありました。
 A君は授業時間と休み時間の切り替えが上手くできません。彼はチャンバラごっこが好きなのですが、遊んでいたいと思ったら、ずっと遊び続けます。初めはどうすれば良いのか分からず、最終的に私が何とか椅子に座らせていました。でも「もっと遊びたかったのに!」という彼の思いがあるので、次の学習を始める時も「やだやだ。」と始まります。結局A君の気持ちが学習モードになっていないので、授業が停滞します。そんな時に同僚の先生から、「欲張りすぎると良いことないんだよね。」と言われました。本当にその通りだと思いました。「時間を守らせないと。」「時間割通りに進めないと。」という私の考えが先行し、目の前のA君のことを考えていたのだろうかと深く反省しました。
 A君の1年後、2年後、もっとその先を考えた時、今この瞬間に「もう少し遊びたい」という気持ちを諦めさせることに、何の意味があるのだろうかと考えなおしました。今では「あと何回遊んだら、勉強しましょう。」「チャイムと一緒に片付けができたね。」と約束をしながら、彼の行動を認めるようにしています。上手くいかない日もありますが、「そんな日もある。それならこうしてみよう。」と考えるように努力しています。(まだまだまだ努力中です。)心を穏やかにするように努めることで、A君を安心させ、信頼関係を結んできました。改めて教師が笑顔でいることの大切さ、自分の機嫌を自分でとることの大切さを、A君から学びました。


 始業式から5カ月が経ち、A君の素晴らしい所をいくつも知ることができました。初日に30分かかった階段も、今は5分で上ります。A君は友達の行動をよく見ていて、真似をすることができます。私の提案には「やだ」と言っても、友達に誘われるとスムーズに活動することができます。校歌が大好きで、精一杯の言葉で一生懸命歌います。A君のにこにこ笑顔に周りの人が癒され、喜ぶ姿を見ることがあります。A君の保護者の方は「彼が大人になった時、この町で人と繋がりながら生活できるようになっていてほしい。」と願っています。そのためには、どんなことができるのか。「欲張りすぎない」ように、A君をよく見て考えていきたいです。試行錯誤の毎日を楽しみたいと思っています。


                                                      辻村 佳子