2017年1月28日土曜日

第90回 教師力ブラッシュアップセミナーin帯広のご案内

「十勝で味わう国語の価値 模擬授業12連発」

 主体的・対話的で深い学びを目指した国語の模擬授業


 小学校6年間の総授業時数5645時間。その4分の1を占める国語。すべての学習を支える教科といっても過言ではありません。しかし、その時数の多さと、学習効果を比例させることが難しいと感じませんか?

 「主体的・対話的で深い学び」を積み重ね、国語の価値を再認識することができれば、その成果はより深く、広いところまで及びます。「話す・聞く」「書く」「説明的文章」「文学的文章」を各3本ずつ、計12本の模擬授業を体験できる今回。それを受けての対談。刺激的な時間になること、間違いいありません。



【日時】平成29年6月24日(土)9時20分~17時30分

【場所】とかちプラザ(予定)

【参加費】3,500円(お弁当・お茶付き)

【プログラム】
9:30~ 9:50 【話す・聞く①】太田 充紀
9:50~10:10 【話す・聞く②】黒川 達也
10:10~10:30 【話す・聞く③】横田 陽子
10:30~10:45  交流 
10:55~11:15 【書く①】山口 淳一
11:15~11:35 【書く②】山河 愛
11:35~11:55 【書く③】藤原 友和
11:55~12:10  交流
12:50~13:10 【読む-説明的文章①】西村 弦
13:10~13:30 【読む-説明的文章②】木下 尊徳
13:50~14:10 【読む-説明的文章③】新川 宏子(高橋 裕章)
14:10~14:25  交流
14:35~14:55 【読む-文学的文章①】斎藤 佳太
14:55~15:1
5 【読む-文学的文章②】三浦 将大
15:15~15:35 【読む-文学的文章③】宇野 弘恵
15:35~15:50  交流
*各グループ後の交流 
 ファシリテーター:大野 睦仁
 コメンテーター :高橋 裕章・堀 裕嗣・友利 真一
16:00~17:30 対談 ・リフレクション
            大野 睦仁・高橋 裕章・堀 裕嗣・友利 真一
*FG:藤原 友和・新川 宏子・横田 陽子・山河 愛・木下 尊徳



お申し込みは↑上記リンク↑をクリック!



2017年1月17日火曜日

私の仕事術

長かった北海道の冬休みが終わり、学校生活の日常が戻ってきました。あっという間に過ぎていく3学期ですが(地域によっては後期4節とか言ったりします)、やることも多くて決して暇ではありません。
必要な仕事に時間を割くためには効率よく進められる部分さサクッと終わらせることも大切です。3人の子供がいる(中2、小2、4歳)私の一日をちょっと振り返ってみます。

ある日の私の一日です。
午前3時30分    起床。
        コーヒーを入れて仕事を開始。
        時間割作成からスタートして、教材研究や学級通信も書く。
午前5時50分    仕事終了。朝食の準備と寝室から二女と長男をリビングへ移動させる。
午前6時              録画してあったアニメを流し、子供たちの目覚めを促しながら朝食準備。
午前6時20分    「早く食べないとテレビ消すぞ」などと脅かしながら急かす。
        その間に自分の身支度と子供たちの服を用意。
        ゴミ出しを行い、ふろ掃除を終わらせて朝食の進み具合を確認。
午前6時40分    「そろそろ起きないとやばいぞ」と長女の部屋の電気を付ける。
        再び外へ出て、自動車のエンジンをかける。
午前6時45分    長男に洋服を着せていると、二女が洋服に文句を言い始める。
        イラッとしながら「だったら自分でもってこい」と冷たく言い放つ。
午前6時50分    保育園に通っている長男を連れて出勤。
        二女と玄関前でタッチして別れる。
午前7時              保育園到着。朝の先生に挨拶。
        ジャンパー、連絡帳を所定の場所におき長男とさよなら。
        学校へ向かう。
午前7時55分    冬の高速道路にいらいらしながら始業時刻に滑り込む。
        勤務開始。

★学校で仕事★

午後5時              冬期間は渋滞の予測がつかないので早めに退勤。
午後5時50分    道路状況が良くスムーズに保育園へ到着。
午後6時10分 二女の通う児童館に到着。
午後6時15分 帰宅。
        夕食の準備。
午後7時              中学生の長女帰宅、夕食を食べさせる。
午後7時30分 子供たちを風呂へ入れる。
        二女の宿題とその〇つけ(面倒だなと思いながら…)。
午後8時50分    下の子二人を寝かすために寝室へ。
        長男が絵本を読めというので文章を少しとばしながら読む。
        二女が「ここ読んでないよ」と余計な一言を言う。
午後9時頃           二人を寝かしながら一緒に寝てしまう。
午前3時30分    起床。
        以下、はじめに戻って同様に一日を繰り返す…。


 妻の仕事が不規則な時間帯で動く職種のため、子供に関することは私が受け持っています。こんな生活をかれこれ10数年続けています(保育園も同じだけ通っています。古株になりました…)。お母さん先生にはきっと共感いただけるはず!

 こんな私が仕事をする上で気を付けていることを3つ紹介します。

その1 今できることは今やる(明日できることもできるならやってしまう)
 子供はいつ熱を出すかわかりません(お母さんはわかりますよね!)。明日やろうと思っていたことが、予定通りできないことなんてざらです(この時期、保育園からの電話が恐怖…)。行事の反省や学級事務(テストの〇つけ、掲示物の張り替え、提出物のチェックや整理など)は気づいたらすぐやるのが鉄則です。

その2 いい加減を意識する
 いい加減=「適度な加減」です。決して手抜きをするわけではありませんが(たまにします…)、時間的に厳しいものは割り切って妥協することも必要です。学校の仕事は完璧にやろうと思うと際限なく仕事が増えます。すべてを10割の力でやらずに6割でいいものは「いい加減」で仕事をすることも仕事を停滞させないコツです。

その3 無理をしない
 無理は禁物です。体調を崩すと学校はもちろん家庭内でもいろいろと大変です(あなたの体はあなただけのものではありません!)。逆に学校の仕事は替えがききます(あなたが思っているほどあなたじゃなきゃダメな仕事は少ないものです)。健康であることが仕事を効率よく進める最も大切なポイントです。コンディションの管理はプロとして大事ですよね。

 今まで全てを全力でこなしてきた力のある先生ほど、家庭ができて両立に悩むものだと思います。特に、産休明けの女性の先生なんて身軽だった時代とのギャップに苦しんでいるのではないでしょうか。
そんな人を周りで支えるのはもちろん(職員室のあの人、大変なんですよ!)。自分自身でも仕事の仕方を「モデルチェンジ」するといいのではと思っています。私の場合も1人目、2人目、3人目と家族が増えるたびにそれまでの生活との違いに戸惑いました(「マイナーチェンジ」を繰り返しながら今に至ります)。

 本当に時間をかけたいもの(自分自身の研究テーマみたいなもの)は「片手」にしっかりと握り、もう片方の手はフリーにしてその時その時に必要なことを持ち替えながら仕事をしていくのもいいのではと考えています。持ちきれない荷物はいったん置くことで、もっといい持ち方(効率的な持ち方)に気付くこともできるものです。


山本和彦(北広島市立大曲小学校)

2017年1月15日日曜日

何気なくしていること

 日々,何気なくしていることがたくさんある。このときも何気なく子どもにあるお願いをした。
 
 外部講師にお礼を書く機会があった。一人ひとり小さな紙にお礼のメッセージを書き,色画用紙に貼った。色画用紙には,「○○さん ありがとうございました」と題字を書き,渡すことにした。そして,ある子にその題字を書くことを何気なくお願いした。すると,その子はとても喜び,「緊張する~」と言いながらも,はりきって書いてくれた。その子の日記には,「頼まれてうれしかった。緊張したけど,一生懸命がんばって字を書いた」という内容のことが書かれていたほどだ。
 また,周りの子たちも書いた字を見ながら,「お~」「うまい!!」などと言っていた。さらに,「○○(子どもの名前)うまいからな」と言っていた子もいた。

 この何気なくお願いしたできごとから感じたことが二つある。
 一つ目は,何かをお願いするということは,言葉には表していないが,「あなたを認めていますよ」というメッセージを伝えている可能性があるということだ。ある意味「隠れたカリキュラム」の一つである。

以下引用開始
『「隠れたカリキュラム」とは、「教育する側が意図する、しないに関わらず、学校生活を営むなかで、児童生徒自らが学びとっていく全ての事柄」を指す。学校・学級の「隠れたカリキュラム」を構成するのは、それらの場の在り方であり、雰囲気といったものである。』
引用終了

引用元
文部科学省人権教育の指導方法等の在り方について[第二次とりまとめ]
 第1章第1 3人権感覚の育成を目指す取組』
 
 
 このできごとの場合,お願いしたことによって,「あなたは,字が上手だよ」ということ伝えていたかもしれない。また,周りの子たちにも,「先生は,○○(子どもの名前)は字が上手だと思っている」「字が上手だから,○○(子どもの名前)にお願いしたんだ」ということを伝えていたかもしれない。さらに言えば,「自分はお願いされないから,字はうまくないんだな」とか,「先生は,自分の字は上手だと思っていない」ということも思わせていたのかもしれない。

二つ目は,力を伸ばす機会をいろいろな子につくっているのかということだ。
 題字を書いた子は,お礼のために書くということを知っていた。だから,相手や目的意識をしっかりもって書いていた。それが,「緊張する~」という言葉にも表れていたと思う。その子は,緊張感の中書くことで,授業だけでは得られない,力を伸ばす大きなチャンスを得ていたともいえる。
 では,そのような貴重な機会を,他の子たちにも果たしてつくっているのだろうか。また,今後つくっていけるのだろうか。自分が,その子にお願いしてしまったことで,実は他の子の力を伸ばすチャンスを奪っていたともいえるのだ。
 
 日々,何気なくしていることがたくさんある。その何気なさが,子どもたちに意図していないメッセージを送っていたり,力を伸ばす機会を奪ったりしている場合もあるということを忘れないようにしていきたい。
(三浦 将大)

2017年1月7日土曜日

ウィンターセミナー終了!

1月7日(土)、足下が悪く、しかも三が日から間もなくにもかかわらず、たくさんの方にご参集いただき、ウィンターセミナーを開催いたしました。ご参加ありがとうございました。

講師として、石巻から佐々木潤先生にお越しいただきました。
教職歴30年を超える佐々木先生のこれまでの実践や、これからの学級づくり・授業づくりについてのお話をうかがいながら、私たち自身の「新年度/これから」について考えを深めました。



そのためには、一人一人が「これまで」について振り返っておくことが大切です。私たちの集会では「チェックイン」「チェックアウト」という時間を設け、自分事として考える機会とすることを重視しております。今回は函館の三浦将大先生のリードによって行いました。





続いて、「これから」を意識した模擬授業。北広島の山本和彦先生の社会科・音更の西村弦先生の総合的な学習の時間の模擬授業を通して、「これから」を見据えた授業づくりについて考えました。どちらの授業にも、授業者の考える「これから」につながるしかけが施されていました。

模擬授業の講評を含めて、メイン講師の佐々木潤先生の講座が行われました。子どもたちに付ける力を明確にもつこと、そして学習の全体像を子どもたちに分かりやすく示すことの大切さを始めとして、多様な視点から教えていただきました。

昼を挟んで、教室づくりについての講座です。教師自身のキャラクターを考慮しつつ、笑うこと・笑い合うことのよさをふんだんに取り入れた佐々木先生の教室づくりを垣間見ることができました。

当セミナー代表:大野先生と佐々木先生との対談では、参加者のみなさんの疑問・質問をベースに、佐々木先生の実践についてさらに考えが深まっていきました。

休憩時間になっても、参加者同士・参加者と講師の対話が途切れませんでした。

最後のチェックアウトでは、チェックインと同じく「新年度/これから」の学級づくり・授業づくりで大切にしたいことを考えました。今朝と夕方とでは、参加者のみなさまが書かれた内容に違いがありました。この日一日の学習を通して、何か現場での実践に生きるものがあれば幸いです。



ご参加いただいた皆様に感謝いたします。
ご記入いただいたアンケートはメンバーで拝見し、次回以降の集会づくりに活用させていただきます。

2017年1月4日水曜日

健康な笑顔で

 教員になって18年たちます。初任校にいた頃を思い出してみると、よくどなったり怒ったりしていたなあと思います。自分の思う通りに子どもが動かなかったり、言うことを聞かなかったりすると、どうにもならずに大きな声を出していたように思います。だんだん大声を出さなくなってきたのは、経験を積み重ねてきたことが少しは役に立ってきたのかな、とも思っています。子どもに通じるように話すことだったり、うまくいかないことを許せる余裕だったり、あとどのくらいしたら出来るようになるかわかっていたり……怒鳴らなくてもよくなってきた、というのが自分としても安心できることです。

 ところがここ最近、大きな声を思わず出してしまうことが何度かありました。「あれっ、怒るようなことでもないのにな……」と思うようなことで怒鳴ってしまい、自分でもわけがわかりませんでした。そんな時には落ち込んで、1日がっかりして過ごしてしまいます。何度かあった後で振り返ってみると、どうも体調の悪い時、疲れている時にそういうことが起こりやすいような気がします。自分も40歳を過ぎて、すっかりおじさんになってきました。徐々に体が変化してきたことを感じています。疲れやすかったり、イライラしやすかったり……そうした変化に自分自身が戸惑うこともあります。教員として技量を上げるために学ぶだけではなく、体調を管理していくことも大切なんだと感じるようになりました。

 教員の仕事はやろうと思えばきりなくあります。部活動問題がクローズアップされたこともあり、教員の過重労働が話題になることも増えてきました。今も全国に過労死ラインを超えて仕事をしている方もたくさんいるのではないかと思います。自分も30代の時は学芸会前に16時間労働を3週間続けるなんてこともありました。今はそんなことはとてもできません。おだやかに子どもたちに接するために、効率的に校務をしながら子どもと向かい合う時間をきちんと取っていくことができればいいなあと思っています。冬休みにゆっくり体を休めて、残り40日あまりの3学期を、まず担任が健康な笑顔で迎えたいと思っています。
(増澤友志)