2017年8月24日木曜日

授業の初めに「前時のまとめを板書する」

始業のチャイムが鳴る。

『教科書○ページを開きなさい。』
『教科書/ノートを閉じて。復習するぞ。』

私の授業スタートの様子でした。

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3年前に現任校へ赴任しました。
2年生担任と部活動の主顧問となりました。
異動は4校目でしたが、やはり異動後は不明な点が多く、毎日何かに追われるような生活でした。
これまでの引き出しをフル活用し、日々の授業を進めていくような状態になってしまいました。一単位時間のやりくりも崩れ始めました。

3年前の5月末。
まとめの板書をできずに授業を終えてしまいました。『次の時間にまとめますね。』

次の時間。
『ノートを開いて、丁寧に移しなさい。』
と指示し、黒板いっぱいに書きました。
生徒は黙々と写しました。


それまで、授業の最後にまとめていたため、写すのが遅い生徒が休み時間に食い込んでしまったり、文字の雑な生徒への指導はできませんでした。
しかし、この方法になると上記の心配はありません。

また、とりわけ長文の分野で有用だったのが、前時の内容を写しながら思い出すことができ、スムーズに本時の学習につなげていくことができたことです。

さらには、前時に欠席した生徒も写すことでおおよその内容を捉えることができ、同じように本時の授業にスライドすることができたのです。

毎時間の授業スタートがチョークとシャープの音だけの静寂な空間となりました。学級全体が集中して落ち着いて授業は行っていく詰まった時間が私は好きです。

今は、前時の振り返りを板書する授業が私の授業形態の基本となっています。

(平山雅一)

2017年8月21日月曜日

問い続けることが、生きることにつながる?

今年のサマーセミナー(7/31~8/1)には、完全に裏方役として参加しました。
チョコマカ動いていないといられない性分に加え、力はないけど、参加者のみなさんと一緒にいろいろ考えてみたい、私のような者にはありがたい立場です。

今回、オープニング・クロージングをお願いした元木一喜さんの場づくりを通して、参加者のみなさんの思考がぐっと深まっていく様子に目を見張りました。
「物に語らせる」という考え方に興味をもって取り組むうちに、スモールステップで徐々に深い問いへと誘われていきました。
模造紙やホワイトボードや、ファシリテーショングラフィックに向き合って話し合う手立ては、いろいろな方が提唱しています。拙いながら私も真似させていただくことで、人と人とが正面から向き合うよりも話すことに抵抗感が少なく、かつ思考したことが目に見えるため分かりやすくなります。
元木さんの場づくりにも、そんな仕掛けが意図されているのだろうな、と考えました。

会の最中も、時折、元木さんと物を介した話し合いをしていました。
頭の中で様々な階層ができ、整理が付かないときはとてもモヤモヤします。でも、モヤモヤを何とか言葉にすることで何となくモヤモヤの正体と向き合い、これから問うべきことと思われる何かが見えてきます。
自ずと自らの教室での在り方に問題意識が向きますから、それはそれは苦しい過程でした。

思えば、昨年度に地元で立ち上げた「教育の実践交流サークル」の場でも、活用してくださる方との話し合いや、一人での沈思黙考を通して様々なモヤモヤと向き合ってきました。自然とそういう場を欲していたのだと思います。サマーセミナーは私にとって、改めてその大切さを感じる機会となりました。

以前、『たった一つを変えるだけ』という本に出会いました。
問いは教師が与えるものという考えから脱皮し、子どもたちと共に考えるもの、という考えに触れました。
それから、少しだけ授業の構成を変えました。
でも、まだ知識技能レベルの問いに留まっていると感じています。
知ったこと・出来るようになったことを生かして考えられる問いを作り、考え続ける。
それこそが、子どもたちが実際に使える力を付けることになるのだろうと考えています。

問い続けることが、生きることにつながる。

そんな気がします。

まだよく分かりません。

これからも問い続けます。
(斎藤佳太)

2017年8月18日金曜日

第94回 教師力ブラッシュアップセミナーin苫小牧のお知らせ

後援:苫小牧市教育委員会様


 いよいよ「特別の教科道徳」の教科書が決まりました。来年度からどのように授業づくりしていくのでしょう。教科書を見ながら、みんなで考えてみませんか? ぜにお誘いあわせの上、ご参加ください!

※ご参加の皆様は、普段の授業でお使いになっている道徳副読本をお持ち寄りください!


【講師紹介】
東峰秀樹先生
 安平町立早来中学校教頭。胆振管内各地で道徳の授業づくりに関する諸講座を開いたり、「苫小牧市いじめ子どもサミット」にて多数の児童生徒に向けて授業したりするなど、数多くの実績を積まれた実践家。

大野睦仁先生
 札幌市立三里塚小学校教諭。教師力ブラッシュアップセミナー代表。「いのちの授業」と題し、自他の生命について理解を深める授業の数々を子どもたちに向けて発信している。絵本や動画等を生かした多彩な授業づくりを行う実践家。



【プログラム】
  9:10 受付 
  9:15 チェックイン 道徳教科書って、どんなもの?
  9:55 わたしの道徳授業づくり①(東峰秀樹先生)
 10:50 わたしの道徳授業づくり②(大野睦仁先生)
 11:45 対談! これからの「道徳科」授業づくり
 
 12:15 昼食(講師を囲んでお弁当を食べましょう!)
 
 13:15 同一資料で模擬授業 プラスワン道徳①(小林雅哉)
 13:35 同一資料で模擬授業 プラスワン道徳②(斎藤佳太)
 13:55 講師講評
 14:10 こんなのいかが? 授業に加えるパーツあれこれ(ブラッシュのスタッフ)
 14:40 自分で作ってみよう!プラスワンの授業
 16:10 チェックアウト
 16:30 閉会

お申し込みは「こくちーずプロ」からお願いいたします!

2017年8月17日木曜日

ひと夏の経験

 現在の勤務校は開校して26年目。ちょうど私と同い年。といっても、教職経験の年数と同じという意味です。つまり、私が採用された年に開校したのです。

 そんな勤務校も、今年の夏休みに給排水工事に入りました。水飲み場やトイレ、職員室や特別教室の水回りなど、水の流れるところすべてを対象とした大がかりな工事です。これまで私は、勤めた学校で耐震工事やトイレの大規模改修を経験していますが、すべての給排水工事は今回が初めてでした。

 少しずつ仕上がっていくその工事のなかで、一瞬頭をもたげる感覚がありました。その正体は、いつも使っていたはずの水飲み場やトイレが、「あれ、こんな感じだったかな?」という違和感です。

 確かに、水道の蛇口など新しくなった部品もあるのですが、洗い場のシンクなどほとんどのものは、磨き上げられてまた元に戻されただけなのです。今まで見ていたはずのものが、これまで味わったことのない違和感として心の底から立ち上ってくると言えば伝わるでしょうか。

 さて、今年の教師力BRUSH-UPサマーセミナーは「リフレクション」をテーマとして行われました。参加された方はわかると思いますが、誰もがこれまでの教職経験を振り返るという大きな成果につながりました。

 「リフレクション=自己省察」と言葉では理解しつつも、これまでの教職経験、もっといえば自分の人生をじっくりと振り返りながら、これから先の未来を見据えた方が多かったのではないでしょうか。これは参加者に限らず、私たちサークルメンバーにも大きな益をもたらしたと言えるはずです。

 ところで私は、成人した教え子と飲む機会がこの夏何度かありました。一様に社会人ですから、皆それぞれ仕事の悩みや恋愛の悩みなど語る訳です。そこには中学校時代の独り善がりや自己中心的な考え方は消え去り、こちらもこちらで説教がましい話は一切しないでじっと聞く訳です。

 すると、自然発生的に「リフレクション=自己省察」が頭をもたげてくるのです。自分はこの教え子たちに何を残してあげたのだろうか。この子たちがこれから先生きていく上で大事な何かを伝えられたのだろうか。現在受け持っている中学3年生にはしっかり教えられているのだろうか。

 こうしたリフレクションにより自分の教職経験を顧みると同時に、これから先の教職人生を思い描くのです。そう、今見えていることや聞こえていることを大事にして、その一瞬一瞬を無駄にせず、子どもたちを教え、励まし、支えていくしかないのではないか、という結論に至るわけです。

 「何を今さらになって青っちょろいことを……」と、馬鹿にされるかもしれませんが、給排水工事とリフレクションと教え子との体験を通して、この夏私が感じたのはこのことでした。

(山下 幸)

2017年8月15日火曜日

2学期に向けて


 この夏、娘たちは「コードブルー~3rdシーズン~」を欠かさず見ています。
 見ている方はわかると思いますが、手術場面がかなりリアルな感じです。血に弱い私にとっては、実はあまり集中して見ることができません。それでも、先日の第4話には、記憶に残る場面がありました。

 フライトナースとして中堅の冴島と、新人だけど、テキパキと無難に仕事をこなす雪村のやり取りです。雪村はプライドも高く、向上心も強い。そして、何かと問題のあるフェロー(フライトドクター候補生)をどこか見下しています。何より、早く周りから認められようと気負っているそんな人です。お祭りの会場で子どもの喉にバーベキューの串が喉に突き刺さったとのことで、雪村がドクターヘリに乗り、現場にいきます。現場では母親がうろたえていて、ちょっとたいへんだったのですが、その子は救命病棟に運ばれ、適切な処置のもと、一命を取り留めました。その夜、冴島はICUにいるその子と保護者に、隅田川の花火を見せてあげます。ベッドの位置を変えて、見えやすいようにしてあげます。雪村に手伝うように言うと、雪村はめんどくさそうに従います。ここからの冴島と雪村との会話です。
雪村「あそこまでしてあげてたら、ナースの仕事ってきりがないと思うんですけ
   ど
冴島「うん……。幸村さんは、フライトナースにとって大切なことってなんだと
   う?
雪村「現場での判断力、経験、迅速に動ける体力
冴島「そうね。で、実際どうだった?今日やってみて」
雪村「あのお母さん、パニック起こしちゃってて、たいへんでした」
冴島「誰もパニックにならない現場なんてないわ。大きな不幸を目の当たりにし
   て、みんな不安になってるから。そういうとき、誰かがその不安に気付
   てあげてほしい」
雪村「それが私ってことですか?」
冴島「医者も、そのほかのスタッフもみんな張り詰めてる。そういうときあな
   の顔を見るとみんなが安心する。幸村さんには、そういうナースになっても
   らいたいな。焦らずに、成長していってほしい」

 ふと、自分が今までにしてきたことが、頭に思い浮かびました。
 ついつい、子どものダメなところばかりに目がいき、叱りとばしてはいないだろうか。目の前の仕事に追われてしまい、周りが見えていなくなっていないだろうか。「How to」ばかりに頼っていないだろうか。子どものためと言いつつ、実は自分のために動いていないだろうか。「うちの子、先生の話を聞いてないようなんですけど、大丈夫でしょうか?」「勉強しないんですが、効果的な方法はありませんか?」「言ってはいるんですけど、なかなか直らなくて…」パニックとまではいかなくとも、真剣に悩んでいる保護者の方々の不安と向き合えているだろうか。子どもの不安を取り除いてあげられているだろうか?そして何より、手間を惜しまず、心配りや気配りができているのだろうか。
ナースと教師、フィールドは違えど、大切なものは同じだなぁと感じます。子どもや保護者、周りにいる同僚や仲間たちにとって、安心してもらえる存在であるには、どうしたらいいだろう。いくつになっても、その答えにはなかなかたどり着きません。焦ることや不安になることばかりです。ただ、常に振り返り、自分の歩んできたところを確かめながら、でも、前へ進んでいくことを繰り返していくしかないのでしょう。

 今年の夏は、リフレクションの夏となりました。振り返れば振り返るほど、自分のダメさ加減ばかりに目がいきます。でも、それだけでは、悲しくなってしまいます。これからも変わっていく自分や子どもの姿に思いを馳せ、希望をもって2学期を迎えたいと思っています。
                              (山口 淳一)

2017年8月10日木曜日

働き方を見直す


 私は現在34歳です。30代になってから人生が大きく動いています。31歳で入籍、32歳で北海道から札幌市への異動、33歳で1児の父となりました。さらに34歳の今年は人生初の学年主任です。そんなわけで20代の頃とは同じ仕事の仕方ができなくなりました。岩瀬直樹先生の『成果を上げて5時に変える教師の仕事術』(学陽書房)を読み、自分なりに試行錯誤しています。

 一番変わったのは勤務時間です。20代の頃は夜の9時を過ぎても平気で学校に残っているタイプでした。今では18:30に部活動が終了した後、遅くとも1時間以内には退勤し、わずかでも我が子との時間を持つようにしています。20代の頃には考えられなかったことですが、やってみると意外となんとかなるものだなと実感しました。もしかすると20代の頃は遅くまで仕事をしていないと不安だっただけなのかもしれません。

 そうは言っても仕事の量が減るわけではありません。私は決して効率の良い方でもないので、当然仕事は溜まってきます。そこで溜まった仕事をいつ片づけるかということが問題になります。夜は子どもを寝かしつけるうちに自分も眠ってしまうので、その分、朝4:30に起きて仕事をするように決意しました。最初は起きるのが辛かったのですが、慣れてくると朝の心地良さと仕事ができる終わりの時間が決まっていることから、テキパキと仕事をするようになりました。

 朝から仕事をすると、仕事に向けての心が整うような気がしてきます。精神的に以前より前向きな気持ちで出勤できるようになりました。またこの前向きな気持ちから以前より笑顔で子どもと接することができるようになったと感じています。さらに脳が目覚めているせいでしょうか、朝出勤してからすぐに仕事に取り組めるので、目標としている退勤時間までに、学校でやらねばならない仕事を終えられる日が少しずつ増えてきたように思います。

 ちなみにこの文章を書いているのは、夜の11時……。まだまだ改善しなければいけないことは山積みのようです……。

(髙橋 和寛)

2017年8月8日火曜日

リフレクションについて考えた2日間

1 こんな会でした

 平成29年7月29日、8月1日。
 この2日間に行われた「第13回教師力BRUSH-UPサマーセミナーin札幌, 第93回教師力BRUSH-UPセミナー」は、初日を「授業におけるリフレクション」、2日目は「学級づくりにおけるリフレクション」をテーマにそれぞれ設定し参加者とともに学び合う会でした。

 初日は以下のような構成になっています。

  ・元木一喜さんの「LEGOブロックを使ったアクティビティ」
  ・上條晴夫さんによる「協働的な授業リフレクション」の二つのコマ
  ・山下幸さんの講座
  ・元木さんによる1日目のチェックアウト

 また、2日目の構成は以下の通りです。

  ・元木さんによるチェックイン
  ・大野睦仁さん、金大竜さん、千葉孝司さんによる講座
  ・三人による鼎談
  ・元木さんによるクロージングセッション

 実行委員の一人として参加したこの会。私にとってもかなり大きな意味を持つセミナーになりました。ここで振り返ってみたいと思います。

2 特に印象に残ったところ

 個々の講座をみても、確かな実践に裏打ちされた素晴らしい時間になりましたが、やはりこの2日間を通して「リフレクションとは“何”であるのか」を改めて考える機会となったことは、講座の並びとその連続性に拠るところが大きかったのではないのかな、と思います。

 つまり、見出しと矛盾するようですが「2日間の思考の流れ」が、リフレクションというものについて、多角的・多面的に検討を迫られるという仕掛けになっていたことが印象に残りました。

 (1) 1日目の流れ


 具体的に言うと、初日は元木さんのオープニングセッションで「もやもやとした、まだ言われていないもの」に形を与えて言葉にすることによって、自分の中の「リフレクション」についての考えが整理され、そしてまだスカスカの部分もある「本棚のようなもの」ができあがるという感覚を得ました。

 そして、午前に一本、午後に一本の模擬授業を受けて、その後の上條さんのファシリテートする場を経験することで、「他者の考え同士がどのように思考に火をつけ、それが鏡となって自分の理解を促すのか」という感覚を実感することができました。
 さらに、山下幸さんのシンプルながら広い範囲をカバーする俳句の鑑賞文のワークショップを受けて、「授業の中で活性化する思考」を「個人思考にどう位置付けるか」という、いわば「事中のリフレクション(reflection in action)」を経験しました。 

 ここまでが初日の「思考の流れ」です。
 余談ですが、神戸の多賀一郎先生が一般参加者として来られていて、FGに初挑戦されていました。これが、レコーディングと言うより、講師コメント的な意味合いのものになり、新たな可能性を感じさせるものになりました。このアプローチ、もう少し時間をかけて考えていきたいと思います。

 (2) 2日目の流れ

 2日目の朝は、「いったん、学びほぐす」活動が元木さんのLEGOによってなされました。授業におけるリフレクションと、学級におけるリフレクションは、微妙に質が異なります。そして、初日が「検討可能な素材を預けられる」というつくりだったのに対し、2日目は「リフレクション実践者の構えから学ぶ(真似ぶ)」というつくりになっていましたから、ここでの学びほぐしは非常に理に適ったものになっていたように思います。

 大野さん、金さん、千葉さんの講座はどれも圧巻でした。
 私は、この後の鼎談の司会になっていたのですが、それは一端横に措き、自分自身の学びのために聞こうと思いました。「3人の共通点はなんだろう」「違いとして挙げるとしたら何だろう」という姿勢でお話を伺っていました。自分の実践に生かすとしたら、3人の問いの立て方と追究への熱、そしてそれをどのように解釈して次につなげているのかという「構え」をつかむことができたらよいのではないかと考えたからです。

 これが私自身の学び(真似び)の姿勢なわけですが、ここでふと思いました。

 「大野さん、金さん、千葉さんにも聞いてみたらいいのではないか」というわけです。
 つまり、三人の講師の先生方それぞれに、「他の二人との共通点・相違点をどう見られましたか?」と問うことで、「講師による学び」「鼎談司会者としての学び(真似び)フレーム提示」「フロアによる学び(真似び)」という入れ子の構造になることをねらったものです。元木さんも「リフレクションをリフレクションする」という入れ子構造を意識したセッションを行っていましたから、ここまでの流れとうまく接続するのではないかと考えました。
 
 その試みが上手くいったのかどうかは聞き手に委ねるしかありませんが、私自身にとっては、遠い背中であるお三方の「構え」を垣間見ることができたのは、自分のこの先を考える上で多きなことだったと考えています。

 クロージングセッションは「これからの自分たち」にスポットを当てるアクティビティでした。「自分」ではなく「自分たち」というテーマがおもしろいなと思って参加しました。

3 この会を受けて

 教師力BRUSHUPセミナーでは、地方集会を行っています。
 私の所属する函館の会では、平成30年2月の開催を目指して企画進行中なのですが、この企画と、サマーセミナーでの学びをつなげていくことを考えています。詳しくは9月4日に教師力BRUSHUPセミナーのblogにて報告できれば…と考えています。

4 最後に

 こうした学びの場にいることができるのも、ご多忙中にも関わらず、札幌まで足を運んでいただいた講師の先生方と、参加者の皆様のおかげです。皆様にまたお目にかかれることを心より願っています。
(藤原友和)

2017年8月7日月曜日

「見えないものが見えるようになりますように…」

子どもたちが先生から指名を受けずに、
次から次へと発言をしていき、
課題に向かって、学びを進めている。

子どもたちがグループになって、
一つの課題を解決するために、
あれやこれやと話し合いをしている。

子どもたちが係活動を自主的に進めて、
どんどん活動の幅が広がり、
教師の想定を超えた活動をしている。

どれも、目指したい姿だと思います。
でも、必ずこうした結果には、過程があります。

それなのに、
「いきなりこんな結果は生まれない」ということを
時々忘れてしまうことがあります。過程は見えないからです。

書籍や各セミナーでの提案の多くは、結果に重点が置かれます。
結果が伝わらないと、そもそも過程も伝える必要もないからです。

もちろん丁寧に、その過程を見えるような場合もあります。
でも、「見えるようにしている」だけなのです。
「見えている」とは限らないのです。

なぜならば過程は、簡単に見えないからです。
当たり前ですが、
どんな力量・キャラクターをもった教師であるかで、過程が違うのです。
子どもたちとどんな関係性をもっていたかで、過程が違うのです。
どんな子どもたちで、どんな保護者で、どんな地域で、どんな職場で、という条件で、過程が違うのです。

もちろん提示された過程には、どんな条件であろうとも、通じる部分があります。
だから、そこを頼りに、そのあとは、自分で見えるようにするしかないのです。

この夏、たくさんのことを学んでいます。
学ばせてもらったことには、必ず「過程」があること。
まずそれを忘れないこと。大事にすること。
そして、学んだことを頼りに、見えないものが見えるようになるよう、
夏休みの残り半分を過ごしていきたいと思っています。
(大野睦仁)

教師力ブラッシュアップセミナー〈サマーセミナー2017〉を振り返って

7月31日、8月1日の二日間に渡って、私たちの夏のイベントであるサマーセミナーが終了しました。
今年度のテーマは、「リフレクション」でした。
講座もセミナーの作り自体も、この「リフレクション」に徹底的にこだわった集会でした。

その意図を機能させるために、二日間のファシリテーションを元木さんに依頼し、学校現場の外の視点からのワークショップデザインをお願いしました。

リフレクションに必要なことは、
「いかにして、どんな問いを自分で立てられるか。」だと考えています。
だからこそ、その時に、どれだけ、多種多様な視点をもてるかがリフレクションの深さの鍵になります。

元木さんにデザインをお願いすることで、私のたちの中に、今までになかった、あるいは気づけなかった視点と出会うことができたのではないかとと思います。

このデザインのもと、私たちのスタッフである三浦さん、高橋さんによる模擬授業2つと、東北福祉大学の上條先生の「協働的な授業リフレクション」。
山下先生による模擬授業を通したリフレクションの話。
授業に特化した1日でしたが、一つ一つのプログラムが機能し、「リフレクション」について考えることができた1日目でした。

翌日は、大野と金先生、千葉先生による話題提供。
リフレクションは、時には苦しいものだけれど、希望に、明日に、繋がっていくものだと実感できた時間でした。

「モヤモヤ」という言葉が何度も、参加者からも、講師陣からも出されていました。
はっきりしないことには、不安になりがちですが、しかし、思考している証しだという実感ももてたのではないでしょうか。

自分を振り返ること、見つめることは、未来に続くために必要なこと。
今回の二日間が、今までの自分を振り返り、明日を未来を見つめるリフレクションになった二日間であったなら、ステキだなと思います。

参加されたみなさん、
講師のみなさんに、心から感謝です。
また、どこかで学び合えることを楽しみにしています。

教師力BRUSH-UPセミナー 代表 大野睦仁