2017年8月8日火曜日

リフレクションについて考えた2日間

1 こんな会でした

 平成29年7月29日、8月1日。
 この2日間に行われた「第13回教師力BRUSH-UPサマーセミナーin札幌, 第93回教師力BRUSH-UPセミナー」は、初日を「授業におけるリフレクション」、2日目は「学級づくりにおけるリフレクション」をテーマにそれぞれ設定し参加者とともに学び合う会でした。

 初日は以下のような構成になっています。

  ・元木一喜さんの「LEGOブロックを使ったアクティビティ」
  ・上條晴夫さんによる「協働的な授業リフレクション」の二つのコマ
  ・山下幸さんの講座
  ・元木さんによる1日目のチェックアウト

 また、2日目の構成は以下の通りです。

  ・元木さんによるチェックイン
  ・大野睦仁さん、金大竜さん、千葉孝司さんによる講座
  ・三人による鼎談
  ・元木さんによるクロージングセッション

 実行委員の一人として参加したこの会。私にとってもかなり大きな意味を持つセミナーになりました。ここで振り返ってみたいと思います。

2 特に印象に残ったところ

 個々の講座をみても、確かな実践に裏打ちされた素晴らしい時間になりましたが、やはりこの2日間を通して「リフレクションとは“何”であるのか」を改めて考える機会となったことは、講座の並びとその連続性に拠るところが大きかったのではないのかな、と思います。

 つまり、見出しと矛盾するようですが「2日間の思考の流れ」が、リフレクションというものについて、多角的・多面的に検討を迫られるという仕掛けになっていたことが印象に残りました。

 (1) 1日目の流れ


 具体的に言うと、初日は元木さんのオープニングセッションで「もやもやとした、まだ言われていないもの」に形を与えて言葉にすることによって、自分の中の「リフレクション」についての考えが整理され、そしてまだスカスカの部分もある「本棚のようなもの」ができあがるという感覚を得ました。

 そして、午前に一本、午後に一本の模擬授業を受けて、その後の上條さんのファシリテートする場を経験することで、「他者の考え同士がどのように思考に火をつけ、それが鏡となって自分の理解を促すのか」という感覚を実感することができました。
 さらに、山下幸さんのシンプルながら広い範囲をカバーする俳句の鑑賞文のワークショップを受けて、「授業の中で活性化する思考」を「個人思考にどう位置付けるか」という、いわば「事中のリフレクション(reflection in action)」を経験しました。 

 ここまでが初日の「思考の流れ」です。
 余談ですが、神戸の多賀一郎先生が一般参加者として来られていて、FGに初挑戦されていました。これが、レコーディングと言うより、講師コメント的な意味合いのものになり、新たな可能性を感じさせるものになりました。このアプローチ、もう少し時間をかけて考えていきたいと思います。

 (2) 2日目の流れ

 2日目の朝は、「いったん、学びほぐす」活動が元木さんのLEGOによってなされました。授業におけるリフレクションと、学級におけるリフレクションは、微妙に質が異なります。そして、初日が「検討可能な素材を預けられる」というつくりだったのに対し、2日目は「リフレクション実践者の構えから学ぶ(真似ぶ)」というつくりになっていましたから、ここでの学びほぐしは非常に理に適ったものになっていたように思います。

 大野さん、金さん、千葉さんの講座はどれも圧巻でした。
 私は、この後の鼎談の司会になっていたのですが、それは一端横に措き、自分自身の学びのために聞こうと思いました。「3人の共通点はなんだろう」「違いとして挙げるとしたら何だろう」という姿勢でお話を伺っていました。自分の実践に生かすとしたら、3人の問いの立て方と追究への熱、そしてそれをどのように解釈して次につなげているのかという「構え」をつかむことができたらよいのではないかと考えたからです。

 これが私自身の学び(真似び)の姿勢なわけですが、ここでふと思いました。

 「大野さん、金さん、千葉さんにも聞いてみたらいいのではないか」というわけです。
 つまり、三人の講師の先生方それぞれに、「他の二人との共通点・相違点をどう見られましたか?」と問うことで、「講師による学び」「鼎談司会者としての学び(真似び)フレーム提示」「フロアによる学び(真似び)」という入れ子の構造になることをねらったものです。元木さんも「リフレクションをリフレクションする」という入れ子構造を意識したセッションを行っていましたから、ここまでの流れとうまく接続するのではないかと考えました。
 
 その試みが上手くいったのかどうかは聞き手に委ねるしかありませんが、私自身にとっては、遠い背中であるお三方の「構え」を垣間見ることができたのは、自分のこの先を考える上で多きなことだったと考えています。

 クロージングセッションは「これからの自分たち」にスポットを当てるアクティビティでした。「自分」ではなく「自分たち」というテーマがおもしろいなと思って参加しました。

3 この会を受けて

 教師力BRUSHUPセミナーでは、地方集会を行っています。
 私の所属する函館の会では、平成30年2月の開催を目指して企画進行中なのですが、この企画と、サマーセミナーでの学びをつなげていくことを考えています。詳しくは9月4日に教師力BRUSHUPセミナーのblogにて報告できれば…と考えています。

4 最後に

 こうした学びの場にいることができるのも、ご多忙中にも関わらず、札幌まで足を運んでいただいた講師の先生方と、参加者の皆様のおかげです。皆様にまたお目にかかれることを心より願っています。
(藤原友和)

0 件のコメント:

コメントを投稿