2017年11月26日日曜日

苫小牧集会 盛会でした

11月25日(土)、苫小牧アイビープラザにて苫小牧集会を開催しました。
今年3回目となる苫小牧の学習会に、20名を超える方が集まってくださいました。
テーマとして取り上げた「特別の教科 道徳」授業づくりへの、関心の高さが窺えます。

講師の東峰秀樹先生(安平町立早来中学校教頭)は、胆振管内の小学校にお勤めになる間に、道徳の基本的な流れに基づいた授業を追究されたエキスパートです。本時の授業とつながる事前・事後の取組を含めた道徳教育の要としての授業づくりについて、たいへん分かりやすく教えていただきました。
もうお一人の講師:大野睦仁先生(札幌市立三里塚小学校教諭)は、「いのちの授業」実践に代表される、オリジナル実践のエキスパートです。自ら教材を開発して道徳の授業づくりをするようになるまでの変遷を踏まえて、ご自身の授業づくりについて紹介してくださいました。
対照的なお話を比較しながら聞き、さらにお二人の対談を通して、道徳の授業づくりについての理解を深めました。

午後はスタッフによる模擬授業や、教科書の資料に「プラス1」して授業づくりを行う提案をお聞きいただきました。道徳が教科化されることは、子どもたちも保護者も知っています。だからこそ、より真摯に授業づくりに取り組まなければいけません。目の前の子どもたちの様子を踏まえて、担任の先生だからできる「プラス1」の発想が大切になってきます。

最後はこれまでのお話を踏まえて、参加者一人一人が授業を考えました。講師に質問しながら、参加者同士で相談しながら、早速、来週に行う授業について構想されていました。
ご参加になった皆様の、そして皆様が接する子どもたちの益になれば幸いです。

終了後は、市内の居酒屋にて、6名で懇親会を行い、楽しく振り返りをしました。

講師のお二人、およびご参加の皆様、ありがとうございました。
(斎藤 佳太)

2017年11月25日土曜日

考える子どもに

「リンゴが7個ありました。ミカンが5個ありました。リンゴは全部でいくつですか?」
 
今年の4月、今年度担任している4年生に算数の授業開きで出した問題です。正解者は2名。残りの子の多くが、さっと12個とだけノートに書き、その後は何もせずただ待つのみでした。
 
 問題文をよく読むこと。イメージしたり図に書いてみたりすること。見直しをしてみること。「よく考えること」の大切さを伝えてもう次の問題へ。
 
「5人でおにごっこをしていました。2人をつかまえました。残りは何人ですか?」
 
 やはり、多くの子が3人とノートに書きましたが、その後、半分くらいの子が「また、だまされているんじゃないか?」とノートに図を書き始め、気がつく子もでてきました。
 
それでも、半分くらいの子は3人と書いたまま動きません。(動けません。)
 
「よく考えること。」言葉で伝えることは簡単ですが、意識して取り組めるようになるまでには繰り返しの指導が必要です。(先ほどの2問は、過去1年生を担任した際の2月に出した問題でしたが、全員が一度で正解しました。)
 
僕自身「よく考えること」なく「素早く・簡単に問題を解く。」「暗記する。」を繰り返して、点数をとってきたためか、研究会やセミナーなどで「どうして、ここに考えがいたらないのだろう。」「表面的にしか考えられていないな。」と思うことが多々あります。
 
 「よく考えられる人になりたい。」「少しでも考える子どもになってほしい。」と思いながら日々を過ごしています。
梶原 崇嗣

2017年11月15日水曜日

第97回教師力BRUSH-UPセミナーin函館のご案内

第98回教師力BRUSH-UPセミナーin函館

期 日:平成30年2月17日(土)
会 場:北海道教育大学函館校 特別教室
テーマ:実践! リフレクション!!~タテに並べて考える「学び方」学び~
講 師:大野睦仁ほか
参加費:3000円

8:30 スタッフ集合・会場設営・受付準備
9:00 開場・受付開始
9:15 開会セレモニー(総合司会:三浦将大)
9:20~9:50 オープニング提案「『振り返り』の出口イメージ~高校生でここまでみとる・考える~」提案:長澤元子/FG:藤原友和
   テーブルグラフィッカー:三浦将大/有我良介/小辻美希
    ※テーブルグラフィッカーは、自席でスケッチブックにFGします。

10:00~12:00
  【第1部】実践報告+座談会「クラスで振り返り(リフレクション)、やってみた」
   実践報告① 加藤慈子/FG:斎藤佳太
   実践報告② 鈴木 綾/FG:八重樫大輔
   座談会:大野睦仁/長澤元子/野呂篤志/内藤一志 FG:藤原友和
   コーディネーター:小林雅哉
   テーブルグラフィッカー:三浦将大/有我良介/小辻美希
    ※テーブルグラフィッカーは、自席でスケッチブックにFGします。

12:00~13:00 昼食
13:00~15:30
  【第2部】道徳模擬授業+対話「授業で振り返り(リフレクション)、やってみた」
   模擬授業①~小学校~ 工藤麻乃 FG:斎藤佳太
   模擬授業②~中学校~ 清水 巌 FG:八重樫大輔
   座談会:大野睦仁/野呂篤志/内藤一志/斎藤佳太 FG:藤原友和
   コーディネーター:三浦将大
   テーブルグラフィッカー:小林雅哉/有我良介/小辻美希
    ※テーブルグラフィッカーは、自席でスケッチブックにFGします。

15:45~17:00
  【第3部】講座「私とリフレクション~「仕組み化」~」大野睦仁

17:00~閉会セレモニー 

17:30~懇親会

集会・懇親会のお申し込みは「こくちーず」から!
http://kokucheese.com/event/index/496270/

2017年11月13日月曜日

私と道徳


「道徳」と聞くと、みなさんはどのようなイメージを持ちますか?



学生時代の「道徳の時間」で、覚えていることはありますか?



 私は小学生の時の「道徳の時間」を覚えています。覚えているといっても下のことくらいです。そしてこれ以外のことをあまり覚えていません・・・。



 ・ざわざわ森のがんこちゃん

 ・さわやか3組

 ・テレビを見た感想を書く



私にとって「道徳の時間」は、苦手な時間でした。理由は、先生が私(子どもたち)に期待している答えを何となく予想してしまうからです。「先生、きっとこう書いてほしいのだろうな」「っていうか、そう聞かれたら、こう答えるでしょ!(笑)」のような自問自答をしながら、授業を受けていた記憶があります。そしてその答えを書くことが、恥ずかしくもありました。私にとって「道徳の時間」は、先生に問われて、新しいことを考えるのではなく、今自分が持っている道徳心を試されているような時間でした。もしかしたら同じように思っていた人は、大勢いるのかもしれません。



 年に数回ですが、道徳の模擬授業を受ける機会や学ぶ機会があります。どの授業も自分の考えが揺さぶられたり、深くなったりするようなものばかりです。提示される教材も読み物・動画・絵本・写真…本当に様々ですが、どの教材も私の生活からかけ離れているような話題ではありません。だからこそ自分事として考えられるのかもしれません。子どもたちの心にじんわり響いていくような、子どもたちが自分の考えを伝えたくなるような、そんな授業ができたらなあと思います。そんな授業ができたら、子どもたちの考える心が育っていくのではないかなあと思います。そのためにどんなことができるのでしょうか。日々アンテナを高くしていたいと考えていることの1つです。



 来年の1月27日(土)に、北見で道徳の研修会を開催します。

 「特別の教科 道徳」について、参加者の皆さんと一緒に考える会です。過去2回はカフェで開催していましたが、今回は模擬授業を行う関係から「公民館」で開催します!!「綺麗な」公民館で、「お洒落」な講師の先生方と学びませんか?きっときっと、頭も心もわくわくするような会になります。どうぞよろしくお願いします。

 宣伝のようなブログになってしまいましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。

http://kokucheese.com/event/index/495400/

(辻村 佳子)

2017年11月9日木曜日

私とリフレクション

現在私は6年生の担任をしている。
 教員の仕事に就き,3年になる。「あなたが何気なくやっていることは,良くも悪くも子どもに影響するよ。」そう言っていた先輩教諭の意味が少しずつ理解できるようになってきた。

「"自分"を大切にすること」―これは私自身の核である。
子どもの会話を聞いていると,自分の言い続けてきた事・やり続けてきた事が子どもに浸透していることを実感させられる。これは,56年と持ち上がりで受け持ち,2年間言い続けてきたことの結果である。そして先輩教諭の影響なのである。

「あなたが何でもかんでも聞いていては,子どもも同じように何でも聞きに来て自分の意思をもてない子になってしまうよ。1年目だろうが,何年目だろうが,子どもにとってあなたも私も同じ先生なの。子どもの前では自信をもちなさい。」

私は子どもの悪いお手本になっているかもしれない。そうならないよう,"自分"というものを大切にすることを一層心掛けるようになった。先輩教諭の一言は,私の思考を変えるきっかけになった。

私が子どもと接する中で心掛けていることは「指導に一貫性をもたせること」,「子どもの声をきちんと聞くこと」,「良いところはとことん褒めること」の3つである。当たり前のことかもしれないが,私はこの3つを大事にし続けている。不安にならないように,事前に質問したり打ち合わせを入念に行ったりしながら,子どもの前では堂々と接するように心掛けている。
これらを意識するようになってから,自然と子どもとの会話や気になること,自分自身の反省点などを毎日メモしていくようになった。そして,このメモはいつしか日記へと変わっていった。

 小学校生活も残り4ヶ月ほどである。卒業文集に取り組む中で,私がやってきた事・取り組んできた事は,本当に子どものためになっていたのか…と考える機会が増えてきた。自分自身の言動を,もう一度見つめ直すことができるようになった。
6年生だからこそ, 率直な意見が聞ける。良いことも悪いことも,毎日さまざまな意見を聞くことができる。
何気ない言動で子どもを傷つけていたこと・話が転々といていたことなど,子どもとの対話を通して気付くこともあれば,自分の日記を見て,子どもと同じ会話をしていたことに気付くこともある。こうした毎日の子どもとの会話が,毎日付けている日記が,私の学びになっているのである。

1125日,私のクラスは函館市で行われる綱引き大会に参加する。大会への参加は2回目で,今年は綱引き大会に向けて,他校と練習試合も予定している。
「昨年つなひき大会に出てから,団結力が強くなりました。」「みんなで1つになって何かに取り組むことはとっても楽しいです。」「同じチームじゃなくても,応援し合える僕たちは最幸です。」「○○がちゃんとしてくれないから,このチームは弱いです。」
―子どもの発言は,現在の学級の様子を物語る。だからこそ,子どものふとした発言や些細な変化には一層気を配らなければならない。

もう一度自分自身を見つめ直すこと。それは子どもだけでなく,教師も大切なことなのかもしれない。

(鈴木 綾)

ウィンターセミナーのご案内


日時:平成30年1月13日(土)
場所:札幌市生涯学習センター「ちえりあ」(札幌市西区宮の沢1条1丁目1-10)
参加費:3,000円
後援:北海道教育委員会(予定)

 平成32年度より、現在小学5・6年生で「外国語」が教科化されると同時に、小学3・4年生から「外国語活動」が行われるようになります。来年度から、移行措置期間に入り、実際に動き始めることとなります。
 教科書はどんなもの? 各学年のカリキュラムは? 評価は? 第一、どんな授業をすればいいの?等々、不安なことばかりではありませんか?
 更に小学校英語教科化は、中学校の先生にも無関係ではありません。教科として小学校で4年間学習してくるとなれば、当然、中学校のカリキュラムも変わります。
 そこで今回の教師力ブラッシュアップウィンターセミナーでは、外国語活動及び外国語に関して研究を進められている宮城県の尾形英亮氏をお招きし、このうねりについて、一緒に考えていく機会としたいと思っています。
 来年度への、たしかな一歩になるといいなと考えています。

09:10 受付
09:25 開会セレモニー
09:30 チェックイン「外国語活動・外国語のゲンザイチ」
      ファシリテーター:藤倉稔(宗谷)
10:00 講座『外国語活動、そして外国語へ』尾形英亮氏(宮城県)
10:50 休憩
11:00 対談「外国語授業づくりの光と影」
      尾形英亮氏×大野睦仁(札幌)
11:30 Q&Aタイム 司会:梶原崇嗣(札幌)
12:00 昼食休憩
12:50 外国語模擬授業対決のススメ方
      ファシリテーター:髙橋裕章(札幌)
13:00 外国語模擬授業対決「話すこと」
      木下尊徳(十勝) 三浦将大(檜山)
13:40 ポスターセッション形式授業検討
13:55 休憩
14:00 外国語模擬授業対決「書くこと」
      太田充紀(上川) 辻村佳子(北見)
14:40 ポスターセッション形式授業検討
14:55 休憩
15:00 講座「外国語活動・外国語の授業づくりの実際」
      尾形英亮氏
15:50 休憩
16:00 チェックアウト「4月に備えて何しよう」
      ファシリテーター:藤倉稔
16:40 ラストメッセージ  尾形英亮氏
16:50 閉会セレモニー


懇親会を予定しております。
会場近く、17:30より

セミナー・懇親会のお申し込みは「こくちーず」から!!
http://kokucheese.com/event/index/494960/

2017年11月7日火曜日

卒業式を意識する頃…

勤務校では、学習発表会が終わりました。
私は、現在6年生の担任。
何をするにも、「小学校最後の」という冠がつく生活も、折り返し地点を過ぎました。
いや、行事で考えると、練習をしたり自分たちで考えたりする大きな行事は「卒業式」だけです。
 
発表会が終わってから、子ども達にそのことを話すと「まだ卒業したくない!」「早く中学校に行きたい!」と思い思いにつぶやいていました。

私はというと、「卒業までに、あとどんな力を高めるべきか。」という思考が強くなりました。その中には、「中学校で困らないように。」という思いがあります。そしてその思いは、時に「こうあるべき」「そうすべきではない」というメッセージにもつながっている気がしています。

もちろん、それが必要な場面はありますが、卒業を意識するとそれが必要以上になってしまう。卒業担任になるたびに、どうしてもそうなってしまう自分がいます。何でもできるスーパー小学生に近づけようとしてしまうのです。

そんなことをすれば、私の価値観で作られた枠の中に、どんどん子ども達ははめ込まれ、私は少しでもはみ出せば過敏に反応し、教室の雰囲気は殺伐としてしまう…。

卒業は大きな大きな一区切り。それが目の前に迫っていますから、そこに向かって子ども達自身が、楽しみながら進んでいける。そして中学校、その先をワクワクしながらイメージできる。残り5か月をそんな雰囲気で過ごすために、自分に何ができるのか、そのために何が必要か、そんなことを考えています。
                                                                                                                             (西村 弦)

2017年11月4日土曜日

私とリフレクション

私とリフレクション

 

 現在、私の勤める学校は離島の小さな学校です。職場の構成も、期限付きや20代~30代が多くを占めます。私の年齢でも中堅です。赴任して2年目の今年度は、分掌の部長を務めたり、学校で中心になって活動する機会が増えました。私にとっては初めての経験です。ゆえに、職場の中で自分の在り方や同僚への関わり方について悩んだり、考えることがたくさんありました。

 

①保体部の部長として、

分掌部長は部の責任者です。私は、「自分だけがやるのではなく、先生方が動けるように準備をしっかりしよう。」「他の部員の仕事にも目を向けて一緒に考えたり、やっていこう。」という思いのもと努めてきました。今思うとかなり力んでいたように思います。実際やってみると、しっかり提案したつもりだけど、先生方にうまく伝わらずうまく事が運ばないことがありました。結局自分がやってしまい、膨大な仕事を抱え、退勤が遅くなってしまって疲弊してしまうこともありました。一番気を遣ったのは、先輩の先生にお願いすることでした。年下の自分がどうやってお願いすれば気を悪くしないか、前からいる先生には新しいことをお願いする時に、これまでの学校の風土を壊してしまうことにはならないかと思い、かなり気をつかっていました。その結果、周りの先生方から心配され、後輩からも気を遣われ「何かやることありませんか。」と…。

私は分掌部長という肩書きに力み、初めに思い描いていた姿と違うことから焦り、結局自分の首を締めてしまっていたと思います。「結局自分が…」という思いで自分が動いてしまっていました。

提案が上手く通らないことも、もっと分掌内で話し合うことが必要でした。確認が必要なことはしっかり話しておくべきでした。もっと周りの人と対話をし、お願いするところは素直にお願いし、進めていくことが必要だったと思います。分掌部長といっても同じ職員、対話と協同でこれから関わっていこうと思います。

 

②教育実習生の指導教諭として

 9月に2週間、指導教諭として教育実習生を受け持ちました。初めて教壇に立つ学生ということを念頭に置きつつ、実習生がどんな思いをもって臨んでいるのか。どんな先生になりたいのかという「思い」を大切にして務めました。

しかしやってみると、授業の中で、普段私たちが無意識で行っている指導や子どもへの関わり方が実習生にとっては一つ一つが初めて見るもので、こちらが意図的に伝えてあげないと実習生には伝わらないということが分かりました。無意識レベルのものを言語化したり伝えることにはかなり苦労しました。実習生の「思い」を大切にと言いつつ、一緒に授業づくりをしてみましたが、一つ一つを伝えるうちに、結局「私」の授業になっているのではないか。たくさんの時間を費やし、遅くまで残らせてしまい、今から学校の勤務の実態を見せてしまって夢を奪ってしまわないかとさえ感じます。しかし、実習生からは「先生がぼくに寄り添って色々なことを教えてくれたのでとても楽しい実習でした。先生になりたいと改めて思いました。」と残し終わってくれたのは何よりも救いでした。

実習生との関わりから、私は自分の思いが強いと伝えすぎてしまうことが分かりました。

でも、寄り添って共に考えることができたのはよかったと思っています。

 後輩の多い職場。一緒に仕事をしたり、授業づくりを進めていく中で、寄り添い、対話していく中で自分の経験や思いを伝えることができるようになりたいと思いました。

 

 夏に行われたブラッシュサマーセミナーのテーマは「リフレクション」。ワークショップや講師の先生方の話を聞き、リフレクションは「問い続けること」という言葉が心に残り、自分の職場での関わり方や在り方について、問い続けてみました。考えたことや振り返ったこと、次やってみようと思ったことは自分のノートに書き留めておくことにしました。やってみると、私は今までリフレクションということをしてきていなかったと感じます。今回、意識してやってみたことも、もしかしたらまだ到底その域には達していないのかもしれません。しかし、考え続けることはできました。ずっと考えているということは苦しいことだとは思いますがしっかり向き合えるようにしていきたいです。そして子どもとの関わりの中でも、子どもの姿に、自分の指導を見て「問い続けて」いきたいと思います。

 

(田名部 圭一)

前から見るのか後ろから見るのか~見通しと振り返り~


1 学びの仲間さがしで「見通し」をもつ

 最近、単元の冒頭では、めあてを確認したあと、どのように学習を進めるのか「サークル図」を板書して説明しています。プロセスを見える化するあの図です。PPTやWORDには最初から入っていますね。この図の中には、学習活動をざっくり一言で書いておきます。子どもたちはこれをノートに写します。



「自分が得意だ、やれそうだと思うサークルには黄緑を塗ります」「苦手だなぁ、手伝って欲しいなと思うところには黄色を塗って下さい」と指示します。「では、立ち歩いてノートを見せ合って下さい。自分と違う色を塗っている友達が、学びのパートナーになります」と活動を指示します。この立ち歩きの中で、互いに次のような見通しをもって欲しいと子どもたちには伝えています。

 A 「自分が黄色で相手が黄緑に塗られている活動」…相手の意見を参考にする
 B 「自分が黄緑で相手が黄色に塗られている活動」…相手に貢献する

 こうして、学習計画を立てて単元の学習に入ります。

2 「ふりかえり」はその実現度を言語化して次の課題設定へつなぐ

 1時間の授業の中で、この時の相手を思い出しながら教え合ったり相談したりして学習を進めます。授業の最後、5分ほどの時間で「振り返り」を行います。その振り返りでは、サークル図とともにノートに書いておいた単元のめあてにどのくらい近づいたかという達成度を書くとともに、誰とどのように学び合ったのかについて書きます。また、一人で進めた場合もそれが有効だったかどうかを書くようにします。
 子どもたちは、振り返りをノートに書いたら、私のところにもってきます。私はその文章に目を通して、共感的にコメントし、文末に赤ペンで「だから次は…」と書きたします。ノートを持ってきた子どもは席に戻り、この言葉に続くように次時のめあてを書く、というわけです。最近では、はじめから次時のめあてを書くようになってきた子もいます。
 このように、「振り返りと次時の課題の連続性」は新学習指導要領下でも特に重視されることが既定の路線となっています。中教審答申で示された「深い学び」の視点は次のように述べられています。

① 学ぶことに興味や関心を持ち,自己のキャリア形成の方向性と関連付け
ながら,見通しをもって粘り強く取り組み,自己の学習活動を振り返って
次につなげる「主体的な学び」が実現できているかという視点。

 これは「授業改善の視点」であり、教育課程全体で取り組むべきものですので、本稿で紹介した手法はほんの小さな工夫に過ぎませんが、子どもたちの資質・能力を育むために、これまで以上に「学習方略」を意識的に伝えていく必要を感じています。

3 有効? 客観的な検証の視点

 さて、このように小さな手法をお伝えして「必要を感じています」と括るのは、blogという媒体の性質から考えて許される範囲かなと思うわけです。が、手法を伝えている以上、効果があったのかどうか説明しなくてはならないのでは? という声も聞こえてきそうです。果たして藤原学級において、育てようとした「学習方略」は子どもたちに育っていると言えるのかどうか。板書とノートに「見える化」したというのなら、子どもたちのノートに学習方略を使っているところが見えるかどうかを検証すべきではないのか、と。
 実は、昨年度から私の学級に、国語の時間に観察に来ている学生が二人います。国語科教育法の卒業論文を書くための取材です。このうちの一人が、藤原学級を特徴付けるものに、「意図的な〈学習方略〉の伝達」があると気が付いたそうで、授業の記録とともに、子どもたちのノートを毎時間分撮影していっています。中間発表が11月3日に終わったばかりなのですが、果たしてどんな結論が得られたのでしょうか。卒業論文が仕上がったら読ませてもらおうと思います(全然育ってなかったよ、という結論だったりして)。
 どんな結論が導き出されたにせよ、それを出発点として、もう一つ考えを深めていきたいと思います。…子どもに行わせている学習活動を、教師自身もする、ということで。

(藤原友和)

2017年11月1日水曜日

学び方っていくつでも変わらない

娘が生まれ、半年が経ちました。
生後間もない間の反射もほぼ消え、自分の意思で動くようになってきました。

気になるものがあると、じーっと見つめます。
手が届くようなら、触ります。
とにかく、触り続けます。
引き寄せられるようなら、口に持っていきます。
なんとか口に入れようと、頑張ります。
うまく入らなくて、泣き叫びます。笑
泣き叫ぶのは置いておいて、
自分で触ったり舐めたりして確認しているようです。

新生児微笑と呼ばれる表情筋の動きのあと、
大人が笑いかけると笑顔になるようになります。
また、離乳食スタート前には、
私たちの食事の様子をじーっと見つめ、
ほんの少しですが、モグモグするようになりました。
まだまだありますが、
テレビを見る、スマホを見るなども含めて、
大人の真似をするようになってきました。

自分でやってみる。
誰かの真似をしてみる。
これって、学び方の基本だよなぁと思うのです。
赤ちゃんは本能でいろいろ動いているように思いますが、
違いました。
実際には、ちゃんと周りから学んでいるのですよね。
こうして自分でやってみること、
真似をしてみること、
をたくさん経験させてあげたいなぁと思います。
三つ子の魂百まで。
できる限り邪魔することなく学ばせてあげることで、
娘の学ぶ姿勢ができていくと信じています。

教室でも同じだよなぁということもまた、思っています。
三つ子の魂百まで、と書きましたが、
いくつになっても同じですよね。
学ぶ環境を整えることで、学びやすくなる人は多くなるのではないでしょうか。