2018年3月31日土曜日

平成29年度 活動終了

 おかげさまをもちまして、本年度の集会全日程を終了いたしました。
 たくさんのご参加をいただき、ありがとうございました。

 平成30年度の活動につきましては、計画が決まり次第お知らせいたします。

2018年3月26日月曜日

同僚と「交換ノート」をやってみた

 同僚と「交換ノート」をしています。北海道公立小学校教諭の小林雅哉さんに教えてもらい、「交換ノート」をはじめてから今年度で2年目となりました。「交換ノート」をとおして日々の実践や気づきを、何人かで交流しています。

今、学校は多忙感に包まれ、互いの思いを出し合っている余裕がないというのが正直なところではないでしょうか。他と腹を割って話す機会が減っている中で、お互いがどんな教育理念をもっているかを知らないまま相手のことを安易に否定してしまったり、折り合いをつける着地点を探れないまま話し合いが終わってしまうということもしばしばありました。また、同僚の先輩教師が「後輩へアドバイスしたい気持ちはあるが、そういう場がなかなかないんだよなあ」とつぶやいていました。学校力を高めるために何かしたい気持ちはあるが一歩踏み出せないもどかしさを抱えていることも知りました。

こうした実態を少しでも緩和できないかと考えて取り組み始めたのが「交換ノート」でした。「交換ノート」には、たとえば(その1)(その2)のようなことが綴られていました。

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(その1)

誰の言葉だったか・・・。

できない部分(障害)にからめとられた日常生活の支援や援助は「できない」に対する単なる日常生活動作の介助にすりかわってしまう。

必要なのは、介助を受けた中で利用者がどのような生活を送ることができるのかを考える大きな視点である。

 

思い出した。

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 この投稿をしたのは、初任者の特別支援学級の先生です。「僕らの仕事は介助することなのだろうか?」という大きな問いを同僚に投げかけたのだと思われます。

 

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(その2)

信念を貫くって素敵だなあ。

相手が誰であれ。

自分の信念を貫くことって

教師として、いや人として

大切なことだと思う。

簡単に曲げちゃったらイチバン大切にしなきゃならない「自分」が

なくなっちゃいそうな気がするもんな。

 この投稿をしたのは、私と同じ部活動の顧問が書いてくれたものです。この日の前日にいろいろあって落ち込んでいる私に、励ましの言葉を投げかけてくれたのだと思われます。

 

これらの他には、次のような投稿がありました。

①授業の板書をパシャリと撮ったもの

②授業で使ったワークシート

➂読書してお気に入りのページ

④朝の会で話した内容

Twitterでリツイートした投稿

⑥部活動等での語り

⑦子どもたちの写真

⑧教室掲示

⑨校内研修の感想

⑩校外の研究会の参加報告

⑪生徒指導で意識したこと

⑫学級づくりでの悩み

⑬授業づくりでの悩み

⑭励ましのメッセージ

⑮少し時間が余ったときに行った遊び

⑯学級懇談会の内容

⑰気になる新聞記事

⑱学級通信


こうした投稿に対して、下線を引いてちょこっとコメントを書きます。コメントの量は、家庭学習ノートを点検したときに書く程度です。実践や気づきを自分が投稿してもしなくてもいいし、相手の投稿に対してコメントを書いても書かなくてもいいというルールを設定し、無理なく自分のペースで進めることを大事にしました。

先日、「交換ノート」をPDF化すると、1年間でA4ノート92ページ分にもなりました。隙間時間を活用するので「交換ノート」で交わされるコメントの量はわずかですが、同僚から反応が返ってくるだけで日々の仕事へのモチベーションは上がります。また、3月にもう一度読み返して見みると、自分が取り組んできたことを俯瞰してものをみることができたり、取り組んできた中で優先順位の高い学びは何か情報を取捨選択したり、当時と変わったものは何か、変わらないものは何かを自覚することができました。

同僚との「交換ノート」が、みんなが多様な考えや意見を持ち寄って話し合えたり、協力しながら学校をつくっていくきっかけに少しだけ貢献できていたら嬉しいです。無理なく進められる「交換ノート」を、ぜひ次年度取り組んでみてはいかがでしょうか?

(藤倉 稔)

2018年3月16日金曜日

見てない大人と聞かない子ども

通勤途中のこと。いつの間にか道路脇に空き地が出来ている。先週まで何か建物があったはず。思い出せない。毎日通っている道なのに。しばらく考えて、「昔からあった食堂がなくなったのだろう」と自分を納得させた。あの食堂には20年前に一度だけ入ったことがある。もう店を畳んでも不思議ではない。

それから2週間後のこと。不思議なことが起こった。あの食堂が道路脇にあるではないか。あの空き地の手前100mの場所だ。自分を納得させたあの日から2週間、自分は何を見てきたのだろう。

不思議なこともあるものだ。きっと店を土台ごと移動させていたのだな。

改めて自分を納得させた。

 

目に映ることと見ることは別である。教師の目には、子どもが映る。だからと言って教師が子どもを見ているとは限らない。

そう言えば新しい自動車が欲しくなったときは、自動車のチラシがやたらと家に届き、ガーデニングに凝ったときは、街路樹さえもやたらと目に飛び込んだものだ。

見ようとしないものは目に見えないのだ。もっと言うと「星の王子さま」でキツネが語ったように、本当に大切なものは目に見えないのだろう。

 大人が子どもを見ていないように、子どもは大人の話を聞いてはいない。「さっき言っただろう」と目くじらを立てるのは、空を見上げて「なぜ雨が降るんだ」と怒るようなものである。

 子どもにとって世界は新鮮だ。つまらない大人の話を聞いている時間はないのだ。そう自分に言い聞かせるようにしていたら、「さっき言っただろう」と子どもに怒らなくて済むようになった。もっとも最近は、自分がさっき言ったことも忘れているからかもしれないが。


 見てない大人と聞かない子どもの間でコミュニケーションが成り立つのは、奇跡的なことだ。奇跡を起こすには、大人が子どもの話を聞くことだ。そうすると子どもは大人の話に耳を傾け、大人には子どもの本当の姿が見えてくる。(千葉孝司)

2018年3月11日日曜日

86.9%

 担外となり,算数の少人数指導に関わっていたときのことです。

私が担当した中にいたAさんは,まちがえてしまったり問題ができなかったりすると,顔の表情がみるみるくもり,イライラした表情になってしまいます。時には一緒に学習している友だちや自分自身にあたってしまうこともありました。そうなってしまうと,指導は受け付けない状態です。髪をぐしゃっとにぎったり,時には泣き出してしまったりすることもあります。

しばらく時間をおいて話を訊くと,

「わからなくてイライラグチャグチャして」

「できない自分に腹が立った」

「自分はダメ。なんでできない。前にできていたのに。何で忘れんだろってループになる」

等のように話してくれました。これらの言葉をもとに,Aさんに配慮しながら指導をしていました。

ですがあるとき,Aさんにとっての「イライラ」の原因は,実はこれらのことだけではないということがわかりました。

それは,

「お腹すいてイライラしちゃって・・・」

と話してくれたことがきっかけでした。そのことを聞いてから意識してみると,Aさんがイライラしてしまうのは,朝食を食べてきていないときや4時間目が多いことがわかりました。4時間目というと給食前の最後の授業です。朝食を食べていないときのAさんにとっては,お腹がすいているピークです。「あと少しあと少し」と,がまんしながら授業を受けていたのだと思います。そんなとき,どうしても授業に集中できず,できなかったりまちがったりしてしまい,イライラはさらに助長されていたのかもしれません。きっと,このようなことは,これまでの小学校生活で何度もあったのだと思います。

 

題名にある,86.9%というのは,「平成29年度全国学力・学習状況調査 児童質問紙」にある,「朝食を毎日食べていますか」という問いに,「している」と答えた児童の割合です。平成19年度からの経年変化を見ても,「している」が90%を超えたことはありません。中学生では,小学生よりも「している」と答えた割合は少なくなります。様々な理由で朝食を食べていない子どもが1割以上いるのです。

「している」の86.9%に含まれていない,13.1%の子ども達がどんな思いで授業を受けているのか。お腹がすいていて授業どころではないかもしれません。Aさんの言葉をきっかけに,このような子どもたちに自分ができることは何かを考え続けるようにしています。(三浦 将大)

2018年3月5日月曜日

何を伝えるか 誰が伝えるか

 小学校6年生を担任している今。
 もう卒業式までのカウントダウンも一桁になろうとしています。
 この時期になると、どうしても「あれもできるように」とか「ここはもっとできるように」と考えてしまうことが多く、そのゆとりのなさが子ども達に悪影響を及ぼしてしまう経験がありました。

 そこで今回は、学級担任として伝えたいことだけではなく、様々な大人からそれぞれのメッセージをもらうことにしました。いわゆる外部講師、ゲストティーチャーです。
 小学校は基本的に学級担任制ですから、一緒にいる時間が長いため、かかわりも深くなります。しかし、その一方で同じメッセージが繰り返されてしまい、メッセージ性が 薄れてしまうこともあります。ですから、ゲストティーチャーの活用が非常に重要だと思うのです。

 たとえば学級担任の私が、「中学校に行くと家庭学習は一日〇分は必要みたいですよ。」と話すのと、実際に入学する中学校の先生から、「中学校は授業だけでは難しい。家で学習する習慣が必要です。」と言われるのでは、子ども達の行動はかなり変わってきます。

 卒業間近で、あれこれ伝えたい気持ちも大切です。しかし、そんな時期だからこそたくさんの大人と出会い、様々な価値観と出会うことは、とても刺激的です。「何を伝えるか」と同じように「誰が伝えるか」という視点をもてば、子ども達は前向きに次の学年に進めることができる、そんな気がしています 。 (西村 弦)

約40年ぶりの再会

1年生の担任ということで、ほぼ毎日、国語の時間を5分ほど使って読み聞かせをしています。低学年を担任する時は「集中して話を聴く」力をつけるためと、「本に親しんでもらう」ためという意図で行なっています。
今年、1学期と2学期の週明けは「おさるのジョージ」(岩波書店)を読みました。出ているシリーズを全巻読みました。そこで、3学期は「おさるのジョージ」の前身にあたる「ひとまねこざる」シリーズを全巻揃えました。
その中で「じてんしゃにのるひとまねこざる」を読んだ時、私の絵本との出会いが蘇ってきました。主人公のジョージではなく、お話に出てくるこぐまが木から落ちそうになる場面…なんか見覚えがあるな、と。話のストーリーがどうだったかは覚えていなかったのですが、絵が記憶に残っていました。「はやおきしんぶん」と書かれたかばんにこぐまが入って救出されるというものです。
おそらくですが、自分が2〜3歳くらいの時に初めて与えられた絵本の一つではないかと思います。字は読めないけど、絵ばっかりパラパラとめくっていた時期かなと思います。
何気なく選んだ本が昔の記憶とつながる。そんな面白い経験をしました。もしかしたら、今回の本よりもさらに過去とつながる本が出てくるかもしれません。絵本の違った楽しみができました。

(大西 陵公)

2018年2月27日火曜日

第99回教師力ブラッシュアップセミナー in 札幌のご案内


ステキな出会いで、子どもたちと出会おう! 

~学級づくりのネタ、大放出!~ 


子どもたちとの初めての出会いの日ほど、特別な日はありません。でも、この春は特に、我々教師にとっては、かなり忙しい時期となります。道徳の教科化、外国語活動の移行期間など、大きな変化が起こります。それらの変化の中、私たちはどのようにして子どもたちや仕事と向き合っていけばよいのか、考えなくてはいけません。そして、だからこそ、子どもたちとの出会いの前に、充分準備しておきたいものです。「楽しみだな」「1年間、やっていけそうだな」など、ポジティブな期待感をもたせたる出会いの演出を、みなさんと考えていきませんか?



  ○日時:平成30年3月25日(日)9時15分~17時ごろ
  ○場所:札幌市産業振興センター(札幌市白石区東札幌5条1丁目1-1)
  ○参加費:2,000円
  ○定員:40人

 9:15~ 9:30 受付
 9:30~10:00 ステキな出会いで、子どもたちと出会うために~準備編
            /大野睦仁(札幌)
10:05~11:05 学級びらきのプログラム紹介します!~15分ずつ4連発!
            小~山本和彦(石狩)・増澤友志(札幌)
            中~高橋和寛(札幌)・長谷泰昌(釧路)
11:15~12:05 教室に置くとよいものベスト3!~10分ずつ5連発!
            小~山口淳一(札幌)・増澤友志・山本和彦
            中~高橋和寛・長谷泰昌

12:05~13:00 昼食休憩

13:00~13:30 ステキな出会いで、子どもたちと出会うために~スタート編
            /堀裕嗣(札幌)
13:35~14:35 学級びらき・学級づくりの「アクティビティ」~15分ずつ4連発!
            小~梶原崇嗣(札幌)・加賀大介(札幌)
            中~高橋和寛・長谷泰昌
14:45~15:05 ステキな出会いで、子どもたちと出会うために~保護者対応編           /山口淳一
15:10~15:30 ステキな出会いで、子どもたちと出会うために~仕事術編
            /山本和彦
15:35~16:05 とっておきの教室掲示のアイデア、教えます!~10分ずつ4連発!
            小~梶原崇嗣・加賀大介・山本和彦
16:10~16:40 実物!学級びらきの学級通信紹介~7分ずつ4連発!
            小~増澤友志・山本和彦
            中~高橋和寛・長谷泰昌

16:40~    アフターパーティー「春休みにはこれを読め!」
       【講師の方々から、お勧めの本のブックトークがあります!!】


お申し込みは「こくちーず」からお願いいたします。
http://kokucheese.com/event/index/509630/

2018年2月24日土曜日

やっぱり大切!


 先日,児童会役員選挙があった。4年生にとっては初めて取り組む選挙戦。立候補者・責任者だけではなく,全員が自分事として「選挙とは?」というのを考えてほしい。そこで,選挙管理委員・立候補者・責任者以外の子どもたちは,応援者として全員に役を割り当てた。中には,自分が立候補したかったけど,クラス内選挙の段階で落選してしまった子どもも応援者として参加するようにした。



選挙戦も終わり,いよいよ立会演説会・投票当日。クラス内選挙で落選した1人が立会演説会2時間前になって「やっぱり応援者として立てない」。本人なりにいろいろと考えた結論だろう。どうなるだろう?子どもたちに対応を委ねてみた。すると,子どもたちは相談し,代わりにポスターをもってくれた子どもがいた。1人を責めるのではなく,変わってあげるという選択をした子どもたちに成長を感じました。



その後,応援者として立てなかった子どもには,「自分の考えで行動したことについては何も言わないけれど,代わりにポスターをもってくれた子にはお礼を伝えた方がいいよ」とだけ話をした。その後,お互いに照れくさそうにお礼を言い,いいよと返事をし,翌日の休み時間は一緒に遊んでいた子どもたち。



 どうすることが良かったのか?やると決めたことは,やり通すことを指導した方が良かったのか?そもそも全員を応援者として割り振ったこと自体が無理だったのではないか?子どもたちの姿から考える機会を与えてもらった。月並みではあるが,これからも日常の1つ1つに目を向け,考え続けていきたいと思う。        
(木下 尊徳)

2018年2月18日日曜日

帯広集会報告


今回の帯広集会は,「多様性×生き方~ガッコウでできること~」と題してLGBTの話題を中心に進めました。当初は,20名程度を予定していましたが,事務局や講師,参加者同士のつながり,新聞での宣伝もあり30名を超える参加者。急遽会場を広い場所へ変えるなどの変更もありましたが無事開催することができました。



まずは,アイスブレイクとして自己紹介。自分の好きなものは?自分の嫌いなものは?をお互いに紹介し合いました。こちらも当初の予定より盛り上がり,参加者の意識の高さを感じました。



続いて講師Aさんのお話し。教員でありながら自らがLGBTの当事者であることをカミングアウトし,活動している方からのわかりやすいお話に,再確認することや新たな気づきを提示していただきました。



次に模擬授業。千葉先生は,「理解できないことに出会った時にどうするか?」。西村先生は,「好きな人はいますか?」という主発問からの展開。参加者は,児童・生徒の気持ちになって考え,交流することができました。



その後,もう一人の講師Kさん(こちらもLGBTの当事者)も含めての座談会。「受け入れる」のではなく,「受け止める」だけでいいという言葉に深く考えさせられました。さらに,フロアからの質疑応答へ。参加者の中の当事者にもお話しいただいて,これまでの経験や今後どのようになっていって欲しいかなど具体的な話がたくさん出されました。



最後は,ピンクシャツデーのテーマソングをモックンに披露していただくというサプライズもあり,最後まで温かい雰囲気の中でセミナーを終えることができました。



参加者のアンケートからは,こういった場がまだまだ少なく,もっと開催して欲しいという意見や今後も考え続けていきたいなど前向きな意見が多く聴かれました。



たくさんの方々に参加,協力していただいたことに感謝しつつ,帯広集会の報告を終わります。
(木下尊徳)

函館集会報告

結局、リフレクションって何?
~リフレクションをリフレクションする試み~

 平成30年2月17日(土)、猛吹雪の函館で「第98回教師力BRUSH-UPセミナーin函館」が開催されました。北海道内外から22名の参加のあった学習会は想定した以上の手ごたえを感じるものとなりました。参加してくださった皆さんに心から感謝したいと思います。

1 サマーのアンサーソング

この場で考えたことは、日常の実践に生かせなければ学んだとは言えません。そして、その学びは継続してこそ改善や創造につながっていきます。平たく言うと「やりっぱなしはもったいない」ということです。
平成29年の夏に行われた教師力BRUSH-UPサマーセミナーは「リフレクション」がテーマでした。元木さんという新進気鋭のファシリテーターをお招きしたワークショップではレゴブロックを使って「言葉にすること」と「まだ言葉にならないもの」をそのまま表出するという自己リフレクションのあり方や、大野さんや金さんのリフレクションに刺激を受け、自分のリフレクション実践を相対化する視点が得られました。
 そこで、函館では仲間と相談して、「リフレクションについて、考え続ける仕組みをつくろう」ということになりました。具体的には2月17日の函館での学習会に「リフレクション」を位置づけること、そしてそれまでの間にメンバー持ち回りで「私のリフレクション」をテーマにブログを輪番で書こうとしました。そのブログは、このブログなわけでして、過去記事を読んでいただければ、函館のメンバーがどんなことを考えて2月のセミナーを迎えたのかをご覧いただけるかと思います。

2 函館学習会の企画意図


また、セミナーについては再三、再四告知しましたように、小学校から高校、そして大学まで、各校種の先生方がそれぞれの現場で実践した「リフレクション」を持ち寄って、共通項の取り出しや、考えている範囲の違いに学び合い、最後には大野睦仁先生のリフレクション講座で〆るという構成にして、函館メンバーにも登壇の機会をつくり、「考え続ける時間」をつくりました。ここでは、胆振からは斉藤佳太・小林雅哉というサポートスタッフにも来ていただき、函館メンバーの三浦将大も含めてコーディネーターをしてもらいました。つまり、加藤慈子・工藤麻乃・鈴木綾・清水巌といった若手がコンテンツをまとめることで、「リフレクション」が起きる仕掛けをつくり、小林・三浦といった中堅がそれをコーディネートすることで「メタリフレクション」を行うというつくりを試みています。これにFGも模造紙に描くメンバー、スケッチブックに描くテーブルグラフィッカーと分け、さらに年齢や性別、校種が響き合うようにメンバーを配置しています。
 さらに、オープニングは高校の現場でから長澤元子が「古典B」におけるリフレクション実践を提案しました。それに続いて小学校の学級経営におけるリフレクション提案を20分×2本(低学年と高学年)、その後の協議80分、午後は道徳模擬授業を30分×2本(小学校と中学校)、その後の協議90分とすることで、「逆向き設計」な構成にしています。高校実践を冒頭に持ってきて「到達点の姿」を掴み、学級経営(小学校低学年・小学校高学年)→授業づくり(小学校高学年・中学校)と問題領域を徐々に焦点化しながら学年の段階を登っていくことで「リフレクションって何だろう?」を掘り下げていくようにと考えました。

3 セミナーの成果とこれから


言う間でもなく、「リフレクション」は対象を必要とします。
 「何についての」リフレクションなのかということです。対象なしのリフレクションは考えられません。リフレクションを考えるための材として基調提案が1本、実践提案が2本、模擬授業が2本並びました。このどれもが質の高い提案でした。そして、リフクレションが「主観のフィルター」の話であることの帰結として、提案者の個性が色濃く出たものとなりました。その詳細に立ち入ることはしませんが、ようするに「リフレクションについてinputする時間があった(みんなサマーに参加していた)」「リフレクションについて考え続ける時間があった」ということ、そしてそれを「みんなでやった」ということが大きかったのではないかと思います。
 考えに考え抜いたものを持ち寄って、それが当日にどんどん相対化されていく…。内藤一志先生が考える視点をどんどん投げて来てくれる…。最後には大野さんがピシッと〆る提案をする、という奇跡の様な一日となりました。これって、「主体的・対話的で(各個人にとっての)深い学び」として機能したかもしれないな、と思います。
 あぁ、そういえば今回はクロージングセッションを設けていません。いろんなことを考えてカットしたしたのですが、大野さんはその意図を汲んでくれて、その機能をもたせつつ、「(プログラムに)リフレクション活動がないことによるリフレクションの継続」を起こすように構成された講座を展開してくださいました。さすがです。
 さて、これからです。
 半年かけて準備をするという、割と「コスト高め」の期間を設定し、「テンション高め」の一日を過ごしました。リフレクションと言う難しいテーマを難しいまま考え、受け取りました。ごろっとした異物を呑みこんだ状態です。これからの実践の中で「溶かしていく作業」が私を含め、各自に求められます。それに合わせて、函館で学びの場が自然なサイクルになるように、テーマや開催時期も含め考えていかなければいけないなぁ、と思いました。
 ちょっとまた別の話になりますが、最近考えているのは「たし算発想」「ひき算発想」「かけ算発想」による学びのあり方です(わり算の具体例がまだ思いつかないのです・笑)。「たし算」ばかりでは幼く、「かけ算」ばかりでは、消化に時間がかかります。「ひき算」の発想も取り入れてみたいなぁと考えています。一つの学習会が、いくつもの答えを生み出し、また一つの問いへとつながっていく。そのような贅沢を味わいつつ、函館の学習会を終えました。
 2017年度のBRUSHの活動は、第99回である3月の札幌集会を残すのみとなりました。この活動を通して出会った皆さんに感謝しつつ、新年度に向けて一歩踏み出したいと思います。最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

                          (2018/02/18 藤原友和)

2018年2月15日木曜日

学校評価でふり返る


本校に赴任して、もうすぐ1年になります。まだ、周りの先生に質問することは多いのですがようやく慣れてきました。4月当初は、とにかく学校の仕組みの違いに驚きました。いくつか例を挙げると次のようなものがあります。

 

・職員会議が年4回しかない。

・職員朝会がない。

・行事などの反省は、意見がある人だけが集まって行う。

・学校での決まりごとがとにかく多い。

 

今までとの違いで気になることは書き留めておきました。学校評価があったので読み返してみると、今のままでよいと思うものがほとんどでした。会議の時間が少ないということは、それだけ自分の仕事ができるようになります。実際に会議が少なくなって困ったことはありませんでした。また、子どもに学校として一貫した指導ができるのもよかったです。ノートの取り方、授業中に机の上に出すものまで学校で決まっているので、先生によって方法が違うということもありませんでした。

 

 今回の学校評価では、時数の確保のことが話題に挙がっています。その中で、私が驚いたのは、運動会を午前日程でできないかということです。運動会をコンパクトにすることで、指導時間が削減できるのではないかと考えたからです。5年生が今年度に行った騎馬戦では、やり方の変更とセレモニーの簡素化ができるのではないかと話し合われました。実際に午前日程になるかどうかわかりませんが、騎馬戦の変更は十分可能です。これで2時間程度、指導時間を削減できます。

 

 私がようやく慣れてきたこの仕組みも、今回の運動会のように午前日程という大きな目標のためにいろいろ細かいことを考えて突き詰めてきたものだと考えます。おかげで職員の働く環境もよくなり、子どもたちと向き合う時間も増えています。そう考えると自分の仕事の仕方にも、もっと改善点があります。仕事を持ち帰らないとか定時はできないけど6時までには帰宅するとか目標をもって改善したいです。

(加賀大介)

2018年2月12日月曜日

当たり前を疑ってみる

新学習指導要領の本格実施が迫る昨今ですが、私の最近の問題意識は少し違う方へ向いています。
子どもたちと日々かかわる中で、人間とは、集団とは、社会とは……といった、人間そのものについての疑問が尽きません。
就職してから本当に長い間、学校に、学級に子どもが来るのは当たり前のことと考えていました。
でも、学校や学級って、何のためにあるのだろう。どうしてこのような制度が出来たのだろう……昨年のウィンターセミナーで、東北の佐々木潤先生のお話を聞きながら、考えの大前提となっていた部分がゆらぎ始めました。セミナー後に買った『〈学級〉の歴史学 自明視された空間を疑う』(柳治夫著、集英社)を読んで以来、さらにモヤモヤしています。

最近、友人の薦めがあり、『サル化する人間社会』(山極寿一著、集英社インターナショナル)という本を読みました。山極氏は類人猿の研究を行う理学博士です。本書では、野生のゴリラやサルを追跡して行ったこれまでの研究をもとに、人間社会の進化の過程について考察しています。
同じ類人猿といえど、ゴリラとサルは、仲間同士の関係性が大きく違うのだそうです。サルは完全な序列社会。強者と弱者の序列がある群れの中で生き抜くための習性が備わっているそうです。対してゴリラには「勝ち負け」という概念がないそうです。互いの目を見て理解し合い、オス同士も、群れのボスとメスや子どもゴリラとも、仲良くしながら共存するのだとか。時には食べ物を分け合うこともあるというゴリラの群れは、人間の家族の姿を連想させます。

翻って現代の人間はどうでしょう。
多忙化、おひとりさまの増加、ネット通販の発達、コンビニの充実などにより、家族が個々バラバラに食事をする風景が当たり前になりつつあります。
山極氏は、私たち人間の「家族」という集団は、元々は「食事をともにするものたち(p156)」として発生したと考えています。家族に帰属することで、食事という生存にかかわることを保障されたわけです。
しかし、現代は……。

集団への帰属がもつ意義が薄くなっているとしたら、昨今「やってもらって・よくしてもらって当たり前」の風潮がますます強くなっているのもうなずけます。飛躍があるかもしれませんが、私は本書から現代社会をみるヒントを得たと思っています。

おそらく、学校・学級という集団もまた、その存在意義が問い直される時代に入っているのでしょう。
(斎藤佳太)

2018年2月11日日曜日

北見集会報告


1月27日(土)に、BRUSHUPセミナーIN北見がありました。北見開催は3回目でした。過去の2回はセミナーの雰囲気にこだわり、カフェで行っていました。今回の場所は綺麗な公民館。教科化される道徳について、模擬授業を通して学習したいと思い、この場所を選びました。講師には代表の大野先生と事務局長の山口先生に来ていただくことができました。

①道徳の教科化、こう考えています

 道徳が教科化になった経緯や教科化になったから変わることや変わらないことをお話していただきました。「教科化になったからこそチャンス」「難しい言葉が飛び交っちゃだめ」という言葉に、参加者の方ははっとされていたように感じました。自主教材の魅力や教材開発の視点など、幅広く聞くことができました。

②模擬授業20分×4

 4人でA「主として自分自身に関すること」からD「主として生命や自然、崇高なものとの関わりに関すること」までの模擬授業を行いました。

 テーマは「誠実」「親切」「家族愛」「命」でした。全員が自主教材を扱っていましたが、エピソード・動画・絵本など種類は様々でした。どの授業でも最後に「あなたなら次はどうする?」という振り返りの時間があり、共通していた点だと思いました。授業で考えたことや学んだことをどう生かしていくかが大切だと、模擬授業から体験することができました。

③模擬授業について(授業解説)

 授業解説はもちろん、これまでの道徳でどのような授業をしてきたかという話題提供もありました。「答えが透けてしまう道徳」「何となく先が予想できてしまう読み物教材」…。もっと思考を活性化させられるような授業にするためには、どうしたら良いのだろうかと考えてきた山口先生と大野先生のお話を聞くことができました。

④質問タイム・チェックアウト

 参加者の皆さんからは授業づくりについて・扱う教材について・校内体制について・評価について質問がありました。評価についてこうなりそうだ、こういう観点で評価していくのではないかというお話を聞くことができ、少し見通しをもつことができました。参加者の皆さんからは、たくさんの感想をいただきました。

 夜は北見の「GENTA」で懇親会を行いました。美味しいお酒と料理と、講師の先生方のお話とが合わさって素敵な時間を過ごすことができました。

参加してくださった皆さん、本当にありがとうございました。心から感謝いたします。  

(辻村 佳子)