2018年1月4日木曜日

できることを

私の住む釧路市は人口がかなり減っている。

自分が担任した生徒達も、大半が釧路から去っていった。
H28年度は釧路の高校卒業生の約63%が地元を去っており、
卒業生の総数もH15H28 13年間で約33%減少してしまった。

「学力が高い子ほど、地元から出ていくんだよ」
「釧路には仕事がないから、仕方がない」
保護者からも教員からもそんな意見を何度となく聞いてきた。
教え子がほとんど出て行ってしまうことに違和感を持っていた。
じゃあ教育って、何を成しているんだろう。

釧路を、自分のふるさとに誇りを持って、大切に思えるようになって欲しいと思う。
その結果、釧路に残る、残らないはその子が選択すればいい。
でも、できれば地元に戻ってきてほしい、漠然とそんな事を思っていた。

東日本大震災の後は、それが分からなくなってしまった。
釧路の津波痕跡について調べてみたが、津波堆積物はかなり内陸まで運ばれているし、ハザードマップでも家屋は壊滅的な打撃を受ける予測になっている。
もし橋が落ちてしまえば街の構造上かなりの犠牲者もでるだろう。最近の新聞にも、道東の巨大地震の可能性について書かれていた。
軽々しく戻ってなんて言っていいんだろうか。
その子の幸せにつながるのだろうか。


何が正しいなんて分からないけど、最近はこう考えている。

少子高齢化・災害だけでなく、本当に人生って分からない。
でも、しんどいことがあっても考え続け、仲間とつながっていければ進んでいける。
たとえ大きな苦難があっても、未来に進めるときには、人は頑張れるのだと思う。
つながる中で、自分で考え続け、選択して、結果を引き受けていく。
つながりの中でリーダーが生まれ、フォローする人も生まれてくる。
(そうして町が活気を取り戻した事例も北海道にはある)

 つながりを生むことが、この地域ではどのような意味を持ちえるのか。
抱えきれないものばかりだけど、授業を考えるとき、子供と関わるとき、
そんな事に意識的でありたいと思う。

(長谷泰昌)

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